Surah イブラーヒーム章 - Ibrāhīm

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Surah イブラーヒーム章 - Ibrāhīm - Aya count 52

الۤرۚ كِتَـٰبٌ أَنزَلۡنَـٰهُ إِلَیۡكَ لِتُخۡرِجَ ٱلنَّاسَ مِنَ ٱلظُّلُمَـٰتِ إِلَى ٱلنُّورِ بِإِذۡنِ رَبِّهِمۡ إِلَىٰ صِرَ ٰ⁠طِ ٱلۡعَزِیزِ ٱلۡحَمِیدِ ﴿١﴾

アリフ・ラーム・ラー¹。(使徒*よ、これは)あなたが人々を、彼らの主*のお許しによって闇から光²へ、つまり偉力ならびない*お方、称賛されるべき*お方の道へと(導き)出すべく、われら*があなたに下した啓典(クルアーン*)である。

1 これらの文字については、頻出名・用語解説「クルアーンの冒頭に現れる文字群*」を参照。 2 この「闇」は迷いや誤り、「光」は導き、つまりイスラーム*のこと(ムヤッサル255頁参照)。雌牛章257の訳注も参照。


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ٱللَّهِ ٱلَّذِی لَهُۥ مَا فِی ٱلسَّمَـٰوَ ٰ⁠تِ وَمَا فِی ٱلۡأَرۡضِۗ وَوَیۡلࣱ لِّلۡكَـٰفِرِینَ مِنۡ عَذَابࣲ شَدِیدٍ ﴿٢﴾

諸天にあるものと、大地にあるものが属する、アッラー*(の道へと)。そして不信仰者*たちには、厳しい懲罰という災いあれ。


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ٱلَّذِینَ یَسۡتَحِبُّونَ ٱلۡحَیَوٰةَ ٱلدُّنۡیَا عَلَى ٱلۡـَٔاخِرَةِ وَیَصُدُّونَ عَن سَبِیلِ ٱللَّهِ وَیَبۡغُونَهَا عِوَجًاۚ أُوْلَـٰۤىِٕكَ فِی ضَلَـٰلِۭ بَعِیدࣲ ﴿٣﴾

(それらの者たちは、)来世よりも現世の生活を愛し、アッラー*の道(イスラーム*)から(人々を)阻み、それ(その道)を捻じ曲げようと望む者たち。それらの者たちは、(真実から)遠い迷いの中にある。


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وَمَاۤ أَرۡسَلۡنَا مِن رَّسُولٍ إِلَّا بِلِسَانِ قَوۡمِهِۦ لِیُبَیِّنَ لَهُمۡۖ فَیُضِلُّ ٱللَّهُ مَن یَشَاۤءُ وَیَهۡدِی مَن یَشَاۤءُۚ وَهُوَ ٱلۡعَزِیزُ ٱلۡحَكِیمُ ﴿٤﴾

われら*はいかなる使徒*も、その民の言葉でしか、遣わすことがなかった。(それは)彼らに、(アッラー*の教えを)明白にするため。アッラー*はお望みになる者を迷わされ、お望みになる者をお導きになる。かれは偉力ならびない*お方、英知あふれる*お方。


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وَلَقَدۡ أَرۡسَلۡنَا مُوسَىٰ بِـَٔایَـٰتِنَاۤ أَنۡ أَخۡرِجۡ قَوۡمَكَ مِنَ ٱلظُّلُمَـٰتِ إِلَى ٱلنُّورِ وَذَكِّرۡهُم بِأَیَّىٰمِ ٱللَّهِۚ إِنَّ فِی ذَ ٰ⁠لِكَ لَـَٔایَـٰتࣲ لِّكُلِّ صَبَّارࣲ شَكُورࣲ ﴿٥﴾

われら*は確かに、ムーサー*をわれら*の御徴¹と共に遣わし(、こう命じ)た。「あなたの民を、闇から光²へと(導き)出すのだ。そしてアッラー*の日々³について、彼らに思い出させよ」。本当にそこにはまさしく、忍耐*強く感謝深い全ての者⁴への(、アッラーの唯一性*と全能性を示す)御徴があるのだから。

1 この「御徴」は奇跡など、ムーサー*の使徒*性の真実を証明するもの(アッ=タバリー6:4773-4774参照)。 2 この「闇と光」については、アーヤ*1の訳注を参照。 3 「アッラー*の日々」とは、イスラーイールの子ら*に対する、アッラー*からの恩恵や試練の日々のこと(ムスリム「功徳の書」172参照)。 4 アッラー*への服従において辛抱し、禁じられた物事を犯すことにおいて自制し、定められた運命を耐え忍ぶ者、そしてアッラー*に対する義務を行うことで感謝の念を表し、かれの恩恵に感謝深い者のこと。このような者こそは、アッラー*の御徴から真に教訓を得る者である(ムヤッサル255頁参照)。


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وَإِذۡ قَالَ مُوسَىٰ لِقَوۡمِهِ ٱذۡكُرُواْ نِعۡمَةَ ٱللَّهِ عَلَیۡكُمۡ إِذۡ أَنجَىٰكُم مِّنۡ ءَالِ فِرۡعَوۡنَ یَسُومُونَكُمۡ سُوۤءَ ٱلۡعَذَابِ وَیُذَبِّحُونَ أَبۡنَاۤءَكُمۡ وَیَسۡتَحۡیُونَ نِسَاۤءَكُمۡۚ وَفِی ذَ ٰ⁠لِكُم بَلَاۤءࣱ مِّن رَّبِّكُمۡ عَظِیمࣱ ﴿٦﴾

ムーサー*が、その民(イスラーイールの子ら*)に(こう)言った時のこと(を思い起こさせよ)。「あなた方に対するアッラー*の恩恵を思い起こすのだ。かれがあなた方を、フィルアウン*の一族から救い出された時のことを。彼らはあなた方に過酷な懲罰を味わわせ、男児は殺し、女児は生かしておいた¹。そしてそこには、あなた方の主*からの偉大な試練があったのだ。

1 この出来事の詳細については、雌牛章49の訳注を参照。


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وَإِذۡ تَأَذَّنَ رَبُّكُمۡ لَىِٕن شَكَرۡتُمۡ لَأَزِیدَنَّكُمۡۖ وَلَىِٕن كَفَرۡتُمۡ إِنَّ عَذَابِی لَشَدِیدࣱ ﴿٧﴾

また、あなた方の主*が(こう)宣言された時のこと(を思い起こさせるのだ)。『もしも、あなた方が(わが恩恵ゆえ、われに)感謝したなら、われは必ずや(わが恩寵を)あなた方に上乗せしてつかわそう。そして、もしもあなた方が恩知らずになったなら、本当に(あなた方への)わが懲罰は、まさしく厳しいものなのである』」。


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وَقَالَ مُوسَىٰۤ إِن تَكۡفُرُوۤاْ أَنتُمۡ وَمَن فِی ٱلۡأَرۡضِ جَمِیعࣰا فَإِنَّ ٱللَّهَ لَغَنِیٌّ حَمِیدٌ ﴿٨﴾

そしてムーサー*は、(彼らに)言った。「もし、あなた方と、地上にいる者全てが不信仰に陥ろうとも(、それはあなた方自身を害するだけ)、実にアッラー*こそは、満ち足りた*お方、称賛されるべき*お方なのだから」。


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أَلَمۡ یَأۡتِكُمۡ نَبَؤُاْ ٱلَّذِینَ مِن قَبۡلِكُمۡ قَوۡمِ نُوحࣲ وَعَادࣲ وَثَمُودَ وَٱلَّذِینَ مِنۢ بَعۡدِهِمۡ لَا یَعۡلَمُهُمۡ إِلَّا ٱللَّهُۚ جَاۤءَتۡهُمۡ رُسُلُهُم بِٱلۡبَیِّنَـٰتِ فَرَدُّوۤاْ أَیۡدِیَهُمۡ فِیۤ أَفۡوَ ٰ⁠هِهِمۡ وَقَالُوۤاْ إِنَّا كَفَرۡنَا بِمَاۤ أُرۡسِلۡتُم بِهِۦ وَإِنَّا لَفِی شَكࣲّ مِّمَّا تَدۡعُونَنَاۤ إِلَیۡهِ مُرِیبࣲ ﴿٩﴾

(人々よ、)あなた方には、あなた方以前の者たちの消息が届いていないのか?ヌーフ*の民、アード*、サムード*、そしてアッラー*以外には(その数を)ご存知にならない、彼ら以後の者たち(の知らせ)が?彼らには、彼らの使徒*たちが明証¹を携えてやって来たのだ。そして彼ら(民)は、彼らの手を自分たちの口に持っていき²(、苛立ちゆえにそれを噛みながら、こう)言った。「本当に私たちは、あなた方が携えて遣わされたものを否定する。そして本当に私たちは、あなた方が私たちを招いているもの³に対して、大きな疑惑を抱いているのだ」。

1 この「明証」は、彼らがアッラー*の使徒*であることを示す明白な証拠のこと(ムヤッサル256頁参照)。 2 このアーヤ*には、ほかにも「彼ら(民)が、自分たちの手で彼ら(使徒*たち)の口を指し(口を閉じるよう命じ)た」とか「彼ら(民)が、(使徒*たちを黙らせようとして、)自分たちの手を彼ら(使徒*たち)の口にかざした」など、複数の解釈がある(イブン・カスィール4:481参照)。 3 つまり、信仰とタウヒード*のこと(ムヤッサル256頁参照)。


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۞ قَالَتۡ رُسُلُهُمۡ أَفِی ٱللَّهِ شَكࣱّ فَاطِرِ ٱلسَّمَـٰوَ ٰ⁠تِ وَٱلۡأَرۡضِۖ یَدۡعُوكُمۡ لِیَغۡفِرَ لَكُم مِّن ذُنُوبِكُمۡ وَیُؤَخِّرَكُمۡ إِلَىٰۤ أَجَلࣲ مُّسَمࣰّىۚ قَالُوۤاْ إِنۡ أَنتُمۡ إِلَّا بَشَرࣱ مِّثۡلُنَا تُرِیدُونَ أَن تَصُدُّونَا عَمَّا كَانَ یَعۡبُدُ ءَابَاۤؤُنَا فَأۡتُونَا بِسُلۡطَـٰنࣲ مُّبِینࣲ ﴿١٠﴾

使徒*たちは、(彼らに)言った。「一体、アッラー*(と、かれのみを崇拝*すること)に疑念を抱くのか?諸天と大地の創成者*に?かれはあなた方のために、あなた方の罪の一部をお赦しになり、あなた方に一定の時期まで(懲罰の)猶予を与えて下さるべく、あなた方を(信仰へ)招いておられるのだ」。彼ら(民)は、(使徒*たちに)言った、「あなた方は、私たちと同様の人間に外なら(ず、使徒*などに相応しいものでは)ない。あなた方は、私たちのご先祖様が崇めていたもの(を私たちが崇めること)から、私たちを阻もうとしているのだ。(あなた方が本当に使徒*)ならば、紛れもなき証拠¹を私たちに持って来てみよ」。

1 この「紛れもなき証拠」とは、奇跡のこととされる(イブン・カスィール4:482参照)。


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قَالَتۡ لَهُمۡ رُسُلُهُمۡ إِن نَّحۡنُ إِلَّا بَشَرࣱ مِّثۡلُكُمۡ وَلَـٰكِنَّ ٱللَّهَ یَمُنُّ عَلَىٰ مَن یَشَاۤءُ مِنۡ عِبَادِهِۦۖ وَمَا كَانَ لَنَاۤ أَن نَّأۡتِیَكُم بِسُلۡطَـٰنٍ إِلَّا بِإِذۡنِ ٱللَّهِۚ وَعَلَى ٱللَّهِ فَلۡیَتَوَكَّلِ ٱلۡمُؤۡمِنُونَ ﴿١١﴾

使徒*たちは、彼らに言った。「私たちは、あなた方と同様の人間に外ならない。しかしアッラー*はその僕の内、お望みになる者にお恵みを垂れ給う¹のだ。また私たちは、アッラー*のお許しもなく、あなた方に証拠²をもたらすことは出来ない。信仰者たちには、アッラー*にこそ全てを委ね*させよ。

1 つまり人間の内、お望みになる者を使徒*としてお選びになる(ムヤッサル257頁参照)。 2 この「証拠」については、アーヤ*10の「紛れもなき証拠」の訳注を参照。


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وَمَا لَنَاۤ أَلَّا نَتَوَكَّلَ عَلَى ٱللَّهِ وَقَدۡ هَدَىٰنَا سُبُلَنَاۚ وَلَنَصۡبِرَنَّ عَلَىٰ مَاۤ ءَاذَیۡتُمُونَاۚ وَعَلَى ٱللَّهِ فَلۡیَتَوَكَّلِ ٱلۡمُتَوَكِّلُونَ ﴿١٢﴾

また、どうして私たちが、アッラー*に全てを委ねないことがあろうか?かれは私たちを確かに、(救済への)いくつもの道¹へとお導きになったというのに。私たちは必ずや、あなた方が私たちを害したことに対して、耐え切るのだ。そして(何かを誰かに)委ねる(信仰)者たちには、アッラー*にこそ全てを委ね*させよ」。

1 あるいは、アッラー*を知り、かれにこそ全ての物事が委ねられている、ということを知るための「いくつもの道」のこと(アル=バイダーウィー3:341参照)。


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وَقَالَ ٱلَّذِینَ كَفَرُواْ لِرُسُلِهِمۡ لَنُخۡرِجَنَّكُم مِّنۡ أَرۡضِنَاۤ أَوۡ لَتَعُودُنَّ فِی مِلَّتِنَاۖ فَأَوۡحَىٰۤ إِلَیۡهِمۡ رَبُّهُمۡ لَنُهۡلِكَنَّ ٱلظَّـٰلِمِینَ ﴿١٣﴾

不信仰に陥った者*たちは、自分たちの使徒*たちに言った。「私たちは必ずや、あなた方を私たちの土地から追放しよう。さもなくば、あなた方は私たちの宗教に戻る外ないのだ」。それで彼らの主*は、彼ら(使徒*たち)に(こう)啓示した。「われら*はきっと、不正*者たちを滅ぼそう。


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وَلَنُسۡكِنَنَّكُمُ ٱلۡأَرۡضَ مِنۢ بَعۡدِهِمۡۚ ذَ ٰ⁠لِكَ لِمَنۡ خَافَ مَقَامِی وَخَافَ وَعِیدِ ﴿١٤﴾

そして彼らの(滅亡)後に必ずや、あなた方をその土地に住ませよう。それはわが立ち所¹を怖れ、わが(罰の)約束を怖れていた者のためのもの」。

1 「わが立ち所」とは、復活の日*にアッラー*の御前に立つことになる、その場のこと(ムヤッサル257頁参照)。


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وَٱسۡتَفۡتَحُواْ وَخَابَ كُلُّ جَبَّارٍ عَنِیدࣲ ﴿١٥﴾

そして彼ら(使徒*たち)は(アッラー*に、敵に対する)勝利を乞い、(真理に対して)尊大で頑迷な全ての者は敗北した。


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مِّن وَرَاۤىِٕهِۦ جَهَنَّمُ وَیُسۡقَىٰ مِن مَّاۤءࣲ صَدِیدࣲ ﴿١٦﴾

彼(不信仰者*)の前には地獄があり、彼は(そこで、その住人の)血膿を飲まされる¹。

1 地獄の民の飲み物については、洞窟章29、サード章57、ムハンマド*章15、出来事章54-55、消息章24-25、圧倒的事態章5も参照。


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یَتَجَرَّعُهُۥ وَلَا یَكَادُ یُسِیغُهُۥ وَیَأۡتِیهِ ٱلۡمَوۡتُ مِن كُلِّ مَكَانࣲ وَمَا هُوَ بِمَیِّتࣲۖ وَمِن وَرَاۤىِٕهِۦ عَذَابٌ غَلِیظࣱ ﴿١٧﴾

彼はそれをどうにか飲み込もうとするが、なかなか喉元を通すことが出来ない¹。そして彼は死人(となって楽)になれないにも関わらず、死(の原因である苦しみ)がありとあらゆる場所から彼のもとを訪れる。また、その後にも、(別の)荒々しい懲罰があるのだ。

1 喉が渇いているにも関わらず、その汚さと熱さ、不味さゆえに、なかなか飲み込めないのだと言われる(アッ=タバリー6:4789、ムヤッサル257頁参照)。ムハンマド*章15も参照。


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مَّثَلُ ٱلَّذِینَ كَفَرُواْ بِرَبِّهِمۡۖ أَعۡمَـٰلُهُمۡ كَرَمَادٍ ٱشۡتَدَّتۡ بِهِ ٱلرِّیحُ فِی یَوۡمٍ عَاصِفࣲۖ لَّا یَقۡدِرُونَ مِمَّا كَسَبُواْ عَلَىٰ شَیۡءࣲۚ ذَ ٰ⁠لِكَ هُوَ ٱلضَّلَـٰلُ ٱلۡبَعِیدُ ﴿١٨﴾

自分たちの主*を否定する者たちの様子、その行いは、強風の日に風が激しくなっ(て、跡形もなく吹き散らしてしまっ)た灰のようなもの。彼らは自分たちが稼いだもの(行い)によって、(アッラー*の御許で)何一つ(益を)得ることがない¹。それこそは(まっすぐな道から)遠い、迷いなのである。

1 これは、不信仰者*の行いに対する来世での褒美のたとえ。現世で彼らの努力は、散り散りになった灰を回収するようなものであり、彼らはそれによって褒美を得ることが出来ない(イブン・カスィール4:486-487参照)。雌牛章264、イムラーン家章117、御光章39-40、識別章23も参照。


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أَلَمۡ تَرَ أَنَّ ٱللَّهَ خَلَقَ ٱلسَّمَـٰوَ ٰ⁠تِ وَٱلۡأَرۡضَ بِٱلۡحَقِّۚ إِن یَشَأۡ یُذۡهِبۡكُمۡ وَیَأۡتِ بِخَلۡقࣲ جَدِیدࣲ ﴿١٩﴾

一体あなた¹は、アッラー*が真理ゆえに、諸天と大地をお創りになったことを知らなかったのか?²かれがお望みなら、あなた方を滅ぼされ、新たな創造物³をもたらされるのだ。

1 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照(ムヤッサル258頁参照)。 2 アッラー*の創造は無意味なものなどではなく、それによってかれの唯一性*と全能性、かれのみが崇拝*に値することを示すためのものであった(前掲書、同頁参照)。イムラーン家章191「我らが主*よ・・・ありません」の訳注も参照。 3 「新たな創造物」とは、アッラー*に従順な別の民のこと(前掲書、同頁参照)。


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وَمَا ذَ ٰ⁠لِكَ عَلَى ٱللَّهِ بِعَزِیزࣲ ﴿٢٠﴾

そして、それはアッラー*にとって難しいことなどではない。


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وَبَرَزُواْ لِلَّهِ جَمِیعࣰا فَقَالَ ٱلضُّعَفَـٰۤؤُاْ لِلَّذِینَ ٱسۡتَكۡبَرُوۤاْ إِنَّا كُنَّا لَكُمۡ تَبَعࣰا فَهَلۡ أَنتُم مُّغۡنُونَ عَنَّا مِنۡ عَذَابِ ٱللَّهِ مِن شَیۡءࣲۚ قَالُواْ لَوۡ هَدَىٰنَا ٱللَّهُ لَهَدَیۡنَـٰكُمۡۖ سَوَاۤءٌ عَلَیۡنَاۤ أَجَزِعۡنَاۤ أَمۡ صَبَرۡنَا مَا لَنَا مِن مَّحِیصࣲ ﴿٢١﴾

(復活の日*、)彼らは皆アッラー*へと向かって(馳せ参じるべく、墓から)姿を現す¹。そして弱者たちは、高慢だった者たち²に(、こう)言うのだ。「本当に私たちは(現世で)あなた方に追従していた。それでは(この日、)あなた方は少しでも、アッラー*の懲罰から私たちを守ってくれるのか?」彼ら(高慢だった者たち)は、言う。「もしアッラー*が私たちをお導きになっていたら、私たちもあなた方を導いていたのだ³。私たちが嘆き悲しもうが、忍耐*しようが、私たちにとっては同じこと。私たちに、(懲罰からの)逃げ道などない」。⁴

1 その日、全人類は、どこにも隠れ場所のない台地に集められる(イブン・カスィール4:488参照)。 2 「弱者たち」とは、間違った道における指導者であった「高慢だった者たち」に追従していた者たちや、同調していた者たち(アッ=サァディー424頁参照)。 3 彼らは自分たちの迷いと、他人を迷わせたことをアッラー*のせいにするが、実際のところは自ら逸脱したがゆえに、アッラー*も彼らを逸脱させられたのである。戦列章5も参照(アル=カースイミー10:3723、参照)。 4 同様の情景の描写として、雌牛章166-167、高壁章38、識別章17-19、物語章63、部族連合章67-68、サバア章31-33、40-41も参照。


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وَقَالَ ٱلشَّیۡطَـٰنُ لَمَّا قُضِیَ ٱلۡأَمۡرُ إِنَّ ٱللَّهَ وَعَدَكُمۡ وَعۡدَ ٱلۡحَقِّ وَوَعَدتُّكُمۡ فَأَخۡلَفۡتُكُمۡۖ وَمَا كَانَ لِیَ عَلَیۡكُم مِّن سُلۡطَـٰنٍ إِلَّاۤ أَن دَعَوۡتُكُمۡ فَٱسۡتَجَبۡتُمۡ لِیۖ فَلَا تَلُومُونِی وَلُومُوۤاْ أَنفُسَكُمۖ مَّاۤ أَنَا۠ بِمُصۡرِخِكُمۡ وَمَاۤ أَنتُم بِمُصۡرِخِیَّ إِنِّی كَفَرۡتُ بِمَاۤ أَشۡرَكۡتُمُونِ مِن قَبۡلُۗ إِنَّ ٱلظَّـٰلِمِینَ لَهُمۡ عَذَابٌ أَلِیمࣱ ﴿٢٢﴾

そしてシャイターン*は、事が裁決され(、天国の民と地獄の民が振り分けられ)た後、言う。「本当にアッラー*は、あなた方に(復活と報いという)真実の約束を約束され、私もあなた方に(それらが嘘だと)約束した。そして私は、あなた方を裏切ったのだ。また私には、あなた方に対していかなる(正当な)根拠¹もなかった。ただ、私はあなた方を(不信仰と迷いへと)招き、あなた方は私に応じたのである。ならば、私を責めるのではなく、自分自身を責めよ。私は(この日、アッラー*の懲罰に対する)あなた方の救護者などではないし、あなた方が私の救護者なのでもない。本当に私は、以前(、現世で)あなた方が私を(アッラー*の)同位者として(服従して)いたこと(に対する責任)²を、否定した」。本当に不正*者たち、彼らには痛ましい懲罰があるのだ。³

1 あるいは、自分に従うことを無理強いする「力」もなかった、という意味(ムヤッサル258頁参照)。 2 つまり、シルク*のこと。 3 同様の情景として、カーフ章27-29も参照。尚、このアーヤ*の最後の一文は、シャイターン*の言葉の続きという説と、アッラー*の言葉という説がある(アル=バイダーウィー3:346参照)。


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وَأُدۡخِلَ ٱلَّذِینَ ءَامَنُواْ وَعَمِلُواْ ٱلصَّـٰلِحَـٰتِ جَنَّـٰتࣲ تَجۡرِی مِن تَحۡتِهَا ٱلۡأَنۡهَـٰرُ خَـٰلِدِینَ فِیهَا بِإِذۡنِ رَبِّهِمۡۖ تَحِیَّتُهُمۡ فِیهَا سَلَـٰمٌ ﴿٢٣﴾

そして信仰し、正しい行い*を行った者たちは、その主*のお赦しによって、その下から河川が流れる楽園に入れられる。彼らはそこに、永遠に留まる。そこでの彼らの挨拶は、「(あなた方に)平安を¹」である。

1 「あなた方に平安を」については、雷鳴章24の訳注を参照。


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أَلَمۡ تَرَ كَیۡفَ ضَرَبَ ٱللَّهُ مَثَلࣰا كَلِمَةࣰ طَیِّبَةࣰ كَشَجَرَةࣲ طَیِّبَةٍ أَصۡلُهَا ثَابِتࣱ وَفَرۡعُهَا فِی ٱلسَّمَاۤءِ ﴿٢٤﴾

(使徒*よ、)あなたは、アッラー*がいかに譬えをお挙げになったのか、知らないのか?その根っこは堅固であり、その天辺は天に聳える、よき樹木のような、よき言葉(という譬え)を?¹

1 ここでの「よき言葉」はシャハーダ*の言葉、「よき樹木」は信仰者、「根っこ」は信仰者の心の中のシャハーダ*の言葉、「天辺は・・・」とは、その言葉によって信仰者の行いが天にまで届く様子である、とされる。また、この「よき樹木」とは、特にナツメヤシの木のことを指している、と言われる(イブン・カスィール4:491-493参照)。


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تُؤۡتِیۤ أُكُلَهَا كُلَّ حِینِۭ بِإِذۡنِ رَبِّهَاۗ وَیَضۡرِبُ ٱللَّهُ ٱلۡأَمۡثَالَ لِلنَّاسِ لَعَلَّهُمۡ یَتَذَكَّرُونَ ﴿٢٥﴾

それはその主*のお許しによって、あらゆる時節にその果実を振舞う¹。アッラー*は人々に、数々の譬えを示されるのだ。(それは、)彼らが教訓を得るように、とのためである。

1 同様に、信仰という樹木の根っこも知識と信念と共に、信仰者の心にしっかりと根付く。そして正しい行い*や高徳といった枝先の部分は、アッラー*の御許にまで到達し、時を問わずして褒美(ほうび)を得ることになるのである(ムヤッサル259頁参照)。


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وَمَثَلُ كَلِمَةٍ خَبِیثَةࣲ كَشَجَرَةٍ خَبِیثَةٍ ٱجۡتُثَّتۡ مِن فَوۡقِ ٱلۡأَرۡضِ مَا لَهَا مِن قَرَارࣲ ﴿٢٦﴾

また、悪い言葉とは、地表から抜かれてしまった、悪い樹木のようなもの¹。それには、いかなる安定もない。

1 これは不信仰の言葉のたとえ。それは心に有益な形で根付かず、自らにとって有害無益な悪い言葉と行いしか、もたらすことがない。また、その行いはアッラー*にまで届かず、それによって自分のことも他人のことも益することがない(アッ=サァディー425頁参照)。


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یُثَبِّتُ ٱللَّهُ ٱلَّذِینَ ءَامَنُواْ بِٱلۡقَوۡلِ ٱلثَّابِتِ فِی ٱلۡحَیَوٰةِ ٱلدُّنۡیَا وَفِی ٱلۡـَٔاخِرَةِۖ وَیُضِلُّ ٱللَّهُ ٱلظَّـٰلِمِینَۚ وَیَفۡعَلُ ٱللَّهُ مَا یَشَاۤءُ ﴿٢٧﴾

アッラー*は現世においても来世においても、信仰する者たちを確固とした言葉で堅固にされる¹。またアッラー*は不正*者たちを迷わせ給うのだ²。アッラー*はかれがお望みのことをし給うのである。

1 「確固とした言葉」とは、シャハーダ*と、イスラーム*の教えのこと。アッラー*はそれによって人を、現世と来世において堅固にされ、死後に墓場の中で聞かれる天使*たちの質問「あなたの主*は誰か?あなたの宗教は何か?あなたの預言者*は誰か?」にも、正しく返答することが出来るようにして下さる(アブー・ダーウード4753、ムヤッサル259頁参照)。 2 現世における彼らの「迷い」とは、「論拠に基づいていないために、試練が訪れる堅固でいられず、失敗してしまうこと」で、来世における「迷い」とは、墓の中の質問に答えられないこととされる(アブー・ハイヤーン5:423参照)。


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۞ أَلَمۡ تَرَ إِلَى ٱلَّذِینَ بَدَّلُواْ نِعۡمَتَ ٱللَّهِ كُفۡرࣰا وَأَحَلُّواْ قَوۡمَهُمۡ دَارَ ٱلۡبَوَارِ ﴿٢٨﴾

一体あなた¹は、アッラー*の恩恵²を不信仰で取り換え、自分たちの民を破滅の世界へと住まわせた者たちを見なかったのか?

1 この「あなた」については、アーヤ*19の同語の訳注を参照。 2 この「恩恵」とは、クライシュ族*の不信仰者*たちがマッカ*の聖域で堪能(たんのう)していた安全(雌牛章125の訳注も参照)と、預言者*ムハンマド*のこととされる(ムヤッサル259頁参照)。戦利品*章53とその訳注も参照。


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جَهَنَّمَ یَصۡلَوۡنَهَاۖ وَبِئۡسَ ٱلۡقَرَارُ ﴿٢٩﴾

彼らがそこに入って炙られることになる、地獄へと?その定着地は、何と醜悪であろうか。


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وَجَعَلُواْ لِلَّهِ أَندَادࣰا لِّیُضِلُّواْ عَن سَبِیلِهِۦۗ قُلۡ تَمَتَّعُواْ فَإِنَّ مَصِیرَكُمۡ إِلَى ٱلنَّارِ ﴿٣٠﴾

また、彼ら(不信仰者*たち)は(、人々をイスラーム*という)その道から迷わせるべく、アッラー*に同位者を置い(て崇め)た。(使徒*よ、)言ってやれ。「(現世で)楽しんでいよ。本当にあなた方の行き先は、業火なのだから」。


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قُل لِّعِبَادِیَ ٱلَّذِینَ ءَامَنُواْ یُقِیمُواْ ٱلصَّلَوٰةَ وَیُنفِقُواْ مِمَّا رَزَقۡنَـٰهُمۡ سِرࣰّا وَعَلَانِیَةࣰ مِّن قَبۡلِ أَن یَأۡتِیَ یَوۡمࣱ لَّا بَیۡعࣱ فِیهِ وَلَا خِلَـٰلٌ ﴿٣١﴾

(使徒*よ、)信仰するわが僕たちに、言うのだ。いかなる売買¹も友愛もない(復活の)日*が到来する前に、礼拝を遵守*し、われら*が彼らに授けたものから秘密裏に、そして公然と(施しとして)費やせ²、と。

1 「売買」については、雌牛章254の訳注も参照。 2 「われらが・・・費やす」については、雌牛章3の訳注を参照。


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ٱللَّهُ ٱلَّذِی خَلَقَ ٱلسَّمَـٰوَ ٰ⁠تِ وَٱلۡأَرۡضَ وَأَنزَلَ مِنَ ٱلسَّمَاۤءِ مَاۤءࣰ فَأَخۡرَجَ بِهِۦ مِنَ ٱلثَّمَرَ ٰ⁠تِ رِزۡقࣰا لَّكُمۡۖ وَسَخَّرَ لَكُمُ ٱلۡفُلۡكَ لِتَجۡرِیَ فِی ٱلۡبَحۡرِ بِأَمۡرِهِۦۖ وَسَخَّرَ لَكُمُ ٱلۡأَنۡهَـٰرَ ﴿٣٢﴾

アッラー*は諸天と大地を創造され、天から(雨)水をお降らしになり、それによって果実というあなた方への糧をお出しになり、そのご命令によって海を航行すべく船をあなた方に仕えさせ、河川をあなた方に仕えさせられた¹お方。

1 人はそこから自分たち、家畜、農作物のための水を始めとした、様々な利益を得る(前掲書、同頁参照)。


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وَسَخَّرَ لَكُمُ ٱلشَّمۡسَ وَٱلۡقَمَرَ دَاۤىِٕبَیۡنِۖ وَسَخَّرَ لَكُمُ ٱلَّیۡلَ وَٱلنَّهَارَ ﴿٣٣﴾

また、かれは、あなた方に太陽と月を仕えさせて運行し続けさせ、あなた方に夜と昼を仕えさせられた(お方)。¹

1 アッラー*は太陽と月を月日の計算(ユーヌス*章5とその訳注も参照)や、人間の身体、動物、植物の諸益のため、そして夜は休息、昼は活動のためにお創りになった(アッ=サァディー426頁参照)。


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وَءَاتَىٰكُم مِّن كُلِّ مَا سَأَلۡتُمُوهُۚ وَإِن تَعُدُّواْ نِعۡمَتَ ٱللَّهِ لَا تُحۡصُوهَاۤۗ إِنَّ ٱلۡإِنسَـٰنَ لَظَلُومࣱ كَفَّارࣱ ﴿٣٤﴾

また、かれは、あなた方がかれに求めた全てのものの内から、あなた方にお授けになった(お方)。たとえあなた方がアッラー*の恩恵を数えたとしても、それを数え上げることは叶わない。本当に人間は不正*極まりない者、大変な恩知らずである。


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وَإِذۡ قَالَ إِبۡرَ ٰ⁠هِیمُ رَبِّ ٱجۡعَلۡ هَـٰذَا ٱلۡبَلَدَ ءَامِنࣰا وَٱجۡنُبۡنِی وَبَنِیَّ أَن نَّعۡبُدَ ٱلۡأَصۡنَامَ ﴿٣٥﴾

イブラーヒーム*が、(こう)言った時のこと¹(を思い起こさせるのだ)。「我が主*よ、この町(マッカ*)を平穏にし²、私と、私の子孫が偶像を崇めることから、遠ざけて下さい。

1 これはイブラーヒーム*が、その息子イスマーイール*とその母親ハージャルを、マッカ*に住まわせた後の祈願の言葉(ムヤッサル260頁参照)。マッカ*が本来、アッラー*のみを崇拝*するために儲けられ、イブラーヒーム*もそのためにこそカアバ神殿*を建設したという事実が、シルク*の徒であったアラブ人に対して証明されている(イブン・カスィール4:512参照)。雌牛章126-129とその訳注も参照。 2 雌牛章125とその訳注、イムラーン家章97、物語章57も参照。


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رَبِّ إِنَّهُنَّ أَضۡلَلۡنَ كَثِیرࣰا مِّنَ ٱلنَّاسِۖ فَمَن تَبِعَنِی فَإِنَّهُۥ مِنِّیۖ وَمَنۡ عَصَانِی فَإِنَّكَ غَفُورࣱ رَّحِیمࣱ ﴿٣٦﴾

我が主*よ、それら(偶像)は、多くの人々を(正しい道から)迷わせました。ゆえに私に従った者¹は誰でも、本当に私の仲間です。そして私に反した者²があっても、本当にあなたは(そのような者にも)赦し深く、慈愛深い*お方であられます。

1 タウヒード*と、彼の手法において彼に「従った者」のこと(ムヤッサル260頁参照)。 2 一説に、シルク*以外のことに関してイブラーヒーム*に反した者のこと(前掲書、同頁参照)。


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رَّبَّنَاۤ إِنِّیۤ أَسۡكَنتُ مِن ذُرِّیَّتِی بِوَادٍ غَیۡرِ ذِی زَرۡعٍ عِندَ بَیۡتِكَ ٱلۡمُحَرَّمِ رَبَّنَا لِیُقِیمُواْ ٱلصَّلَوٰةَ فَٱجۡعَلۡ أَفۡـِٔدَةࣰ مِّنَ ٱلنَّاسِ تَهۡوِیۤ إِلَیۡهِمۡ وَٱرۡزُقۡهُم مِّنَ ٱلثَّمَرَ ٰ⁠تِ لَعَلَّهُمۡ یَشۡكُرُونَ ﴿٣٧﴾

我らが主*よ、本当に私は自分の子孫の内の者たちを、あなたの聖なる館(カァバ神殿*)の傍らの、作物も(水も)ない谷間に住まわせました、我らが主*よ、彼らが礼拝を遵守*するために(、私はそうしたのです)¹。ならば、人々の内の心が彼らへと傾くようにし、種々の果実の内から彼らにお授け下さい²。彼らはきっと(あなたに)、感謝するでしょう。

1 当時マッカ*は無人かつ不毛の地だったが、イブラーヒーム*はアッラー*からのご命令ゆえに妻ハージャルと幼い息子イスマーイール*をマッカ*に置き去りにした。この祈願の言葉は、彼らの姿が見えなくなった場所で、イブラーヒーム*が唱えたもの。その後、飲み水が尽きてしまったハージャルは幼子を抱え、人を探し回ったが、サファーとマルワの丘(雌牛章158の訳注参照)を三往復半した時、ザムザムの水が湧き出てきた。その後、アラブ人のジュルフム族が彼女の許可を得てマッカ*に定住し始め、イスマーイール*はアラブ人の中で育つこととなった(アル=ブハーリー3364参照)。 2 カアバ神殿*は巡礼*の場と定められ(巡礼*章27参照)、人の心をひきつける秘密が施(ほどこ)された。また、そこにあらゆる果実がもたらされた(物語章57参照)(アッ=サァディー427頁参照)。


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رَبَّنَاۤ إِنَّكَ تَعۡلَمُ مَا نُخۡفِی وَمَا نُعۡلِنُۗ وَمَا یَخۡفَىٰ عَلَى ٱللَّهِ مِن شَیۡءࣲ فِی ٱلۡأَرۡضِ وَلَا فِی ٱلسَّمَاۤءِ ﴿٣٨﴾

我らが主*よ、本当にあなたは、私たちが隠すことも露わにすることもご存知です。地でも天でも、アッラー*から姿を暗ますことが出来るものなど、何一つありません。


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ٱلۡحَمۡدُ لِلَّهِ ٱلَّذِی وَهَبَ لِی عَلَى ٱلۡكِبَرِ إِسۡمَـٰعِیلَ وَإِسۡحَـٰقَۚ إِنَّ رَبِّی لَسَمِیعُ ٱلدُّعَاۤءِ ﴿٣٩﴾

年老いた私に、イスマーイール*とイスハーク*をお授けになったアッラー*に、全ての称賛*あれ。本当に我が主*は、まさしく祈りを聞き届けられるお方。


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رَبِّ ٱجۡعَلۡنِی مُقِیمَ ٱلصَّلَوٰةِ وَمِن ذُرِّیَّتِیۚ رَبَّنَا وَتَقَبَّلۡ دُعَاۤءِ ﴿٤٠﴾

我が主*よ、私を、礼拝を遵守*する者として下さい。また、私の子孫の内の者たちも。そして我らが主*よ、私の祈りをお受け入れ下さい。


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رَبَّنَا ٱغۡفِرۡ لِی وَلِوَ ٰ⁠لِدَیَّ وَلِلۡمُؤۡمِنِینَ یَوۡمَ یَقُومُ ٱلۡحِسَابُ ﴿٤١﴾

我らが主*よ、清算が行われる日に、私と我が両親¹、信仰者たちをお赦し下さい」。

1 これは、彼の父親がアッラー*の敵であることが明らかにされる前のこと(ムヤッサル260頁参照)。詳しくは悔悟章114、マルヤム*章47、訪問される女章4も参照。


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وَلَا تَحۡسَبَنَّ ٱللَّهَ غَـٰفِلًا عَمَّا یَعۡمَلُ ٱلظَّـٰلِمُونَۚ إِنَّمَا یُؤَخِّرُهُمۡ لِیَوۡمࣲ تَشۡخَصُ فِیهِ ٱلۡأَبۡصَـٰرُ ﴿٤٢﴾

(使徒*よ、)あなた¹は、(イブラーヒーム*の宗教に反した)不正*者たち²が行っていることに対して、アッラー*が無頓着であられるなどと、断じて思ってはならない。かれは、彼らの眼が(余りの恐怖ゆえに)凝然とするその日まで、彼らを猶予されるに過ぎないのだから。

1 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照(アッ=シャウカーニー3:157参照)。 2 使徒*の嘘つき呼ばわりや、信仰者の迫害などの罪を犯す「不正*者たち」(ムヤッサル260頁参照)。


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مُهۡطِعِینَ مُقۡنِعِی رُءُوسِهِمۡ لَا یَرۡتَدُّ إِلَیۡهِمۡ طَرۡفُهُمۡۖ وَأَفۡـِٔدَتُهُمۡ هَوَاۤءࣱ ﴿٤٣﴾

(彼らはその日、)あたふたと(墓場から現れ、)自分たちの頭を上げた状態のまま。(余りの恐怖ゆえ、)彼らの瞬きは自分たちに戻ることもなく¹、その心は虚ろである。

1 つまり瞬きすることもなく、眼が見開かれたままの状態(アル=カースィミー10:3737参照)。


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وَأَنذِرِ ٱلنَّاسَ یَوۡمَ یَأۡتِیهِمُ ٱلۡعَذَابُ فَیَقُولُ ٱلَّذِینَ ظَلَمُواْ رَبَّنَاۤ أَخِّرۡنَاۤ إِلَىٰۤ أَجَلࣲ قَرِیبࣲ نُّجِبۡ دَعۡوَتَكَ وَنَتَّبِعِ ٱلرُّسُلَۗ أَوَلَمۡ تَكُونُوۤاْ أَقۡسَمۡتُم مِّن قَبۡلُ مَا لَكُم مِّن زَوَالࣲ ﴿٤٤﴾

(使徒*よ、)人々に警告せよ、彼らに懲罰が到来し、(不信仰という)不正*を働いた者たちが(、こう)言う(復活の)日*のことを。「我らが主*よ、短い期間だけ、私たちに猶予をお授け下さい。あなたの呼びかけに応え、使徒*たちに従いますから」。¹(すると、彼らにこう言われる。)「あなた方は以前、自分たちには(現世から来世への)移転などない、と誓いを立てたのではなかったか?

1 いざ復活の日*(あるいは死)が到来すると、彼らは現世での猶予を求めたり、自分たちを現世に返してくれることを頼んだりする。だが、もちろんそれは叶わない。家畜章27-28、高壁章53、信仰者たち章99-100、アッ=サジダ*章12、創成者*章37、赦し深いお方章11-12、相談章44、偽信者*たち章10-11も参照。


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وَسَكَنتُمۡ فِی مَسَـٰكِنِ ٱلَّذِینَ ظَلَمُوۤاْ أَنفُسَهُمۡ وَتَبَیَّنَ لَكُمۡ كَیۡفَ فَعَلۡنَا بِهِمۡ وَضَرَبۡنَا لَكُمُ ٱلۡأَمۡثَالَ ﴿٤٥﴾

また、あなた方は、自らに不正*を働いた(過去の不信仰)者*たちの住処に滞在した¹。われら*が彼らに対していかなる仕打ちをしたか、あなた方には明らかになったのである。われら*は(このクルアーン*の中で)、あなた方にいくつもの譬えを挙げたのだ」。

1 アラブ人たちは旅をする際、サムード*の地やアード*の地に立ち寄ったものだった(イブン・アーシュール13:249参照)。


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وَقَدۡ مَكَرُواْ مَكۡرَهُمۡ وَعِندَ ٱللَّهِ مَكۡرُهُمۡ وَإِن كَانَ مَكۡرُهُمۡ لِتَزُولَ مِنۡهُ ٱلۡجِبَالُ ﴿٤٦﴾

彼ら(シルク*の徒)は確かに、自分たちの策謀を企んだ。そして彼らの策謀は、アッラー*の御許にこそ(掌握されて)ある¹。彼らの策謀は(その脆弱さゆえ)、それによって山々を動かすこともないのだ。

1 不信仰者*らは預言者*ムハンマド*の暗殺など、様々な策謀を図った。しかしアッラー*はそのような策謀を全てご存知であり、その悪い策謀の結末は彼らに返って来ることになる(ムヤッサル261頁参照)。


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فَلَا تَحۡسَبَنَّ ٱللَّهَ مُخۡلِفَ وَعۡدِهِۦ رُسُلَهُۥۤۚ إِنَّ ٱللَّهَ عَزِیزࣱ ذُو ٱنتِقَامࣲ ﴿٤٧﴾

だから(使徒*よ)、アッラー*が、かれの使徒*たちに対するそのお約束をお破りになるなどと、あなた¹は断じて考えてはならない。本当にアッラー*は偉力ならびない*お方であり、報復の主*なのだから。

1 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照(前掲書、同頁参照)。


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یَوۡمَ تُبَدَّلُ ٱلۡأَرۡضُ غَیۡرَ ٱلۡأَرۡضِ وَٱلسَّمَـٰوَ ٰ⁠تُۖ وَبَرَزُواْ لِلَّهِ ٱلۡوَ ٰ⁠حِدِ ٱلۡقَهَّارِ ﴿٤٨﴾

大地がその大地ではない(別の)もの¹に、そして諸天もまた(その諸天ではない別のものに)取って代わられる日(の報復である(。彼らは、唯一で*全てに君臨し給う*アッラー*へと(馳せ参じるべく、墓から)姿を現す²。

1 大地と諸天が「取って代わられる」ことには、①その性質が変化する、②別の物と取り換えられる、という説がある。①の説の場合、大地は「丘が平坦になり、山々が粉々になり、広く伸ばされ」、諸天は「太陽と月が巻き込まれ、星々が落下する(巻き込む章1-2参照)」あるいは「時には解けた鉛のように(階段章8参照)、時には解けた脂のように(慈悲あまねき*お方章37参照)なったりする」。②の説の場合、大地と取り換えられるものは「地獄の架け橋(鉄章12とその訳注を参照)」「純白の薄いパンのような、ピンク色のかった白色の大地(アル=ブハーリー6521参照)」、また「大地は銀、天は金となる」(アル=クルトゥビー9:383-384参照)「諸天は楽園となる」(イブン・カスィール4:521参照)といった諸説もある。 2 アーヤ*21とその訳注も参照。


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وَتَرَى ٱلۡمُجۡرِمِینَ یَوۡمَىِٕذࣲ مُّقَرَّنِینَ فِی ٱلۡأَصۡفَادِ ﴿٤٩﴾

(使徒*よ、)あなたは(復活の)その日、不正*者たちが枷で、がんじがらめにされている¹のを見る。

1 識別章13とその訳注も参照。


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سَرَابِیلُهُم مِّن قَطِرَانࣲ وَتَغۡشَىٰ وُجُوهَهُمُ ٱلنَّارُ ﴿٥٠﴾

彼らの衣服はタール¹で出来ており、炎が彼らの顔を覆う。

1 一説には、高熱で溶解した銅や真鍮(しんちゅう)のこと(アッ=タバリー6:4855-4859参照)。預言者*たち章19も参照。


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لِیَجۡزِیَ ٱللَّهُ كُلَّ نَفۡسࣲ مَّا كَسَبَتۡۚ إِنَّ ٱللَّهَ سَرِیعُ ٱلۡحِسَابِ ﴿٥١﴾

(それは)アッラー*が全ての者を、(善行であれ悪行であれ、)彼が稼いだものによってお報いになるためである。本当にアッラー*は、即座に計算される*お方。


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هَـٰذَا بَلَـٰغࣱ لِّلنَّاسِ وَلِیُنذَرُواْ بِهِۦ وَلِیَعۡلَمُوۤاْ أَنَّمَا هُوَ إِلَـٰهࣱ وَ ٰ⁠حِدࣱ وَلِیَذَّكَّرَ أُوْلُواْ ٱلۡأَلۡبَـٰبِ ﴿٥٢﴾

これ(クルアーン*)は、人々への布告である。(アッラー*はそれを彼らへの忠告を受け、かれ(アッラー*)が唯一の崇拝*されるべき存在に外ならないということを知り、澄んだ知性の持ち主たちが教訓を得るために(下されたのである)。


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