مَاۤ أَنزَلۡنَا عَلَیۡكَ ٱلۡقُرۡءَانَ لِتَشۡقَىٰۤ ﴿٢﴾
(使徒*よ、)われら*があなたにクルアーン*を下したのは、あなたが不幸になるためではない¹。
تَنزِیلࣰا مِّمَّنۡ خَلَقَ ٱلۡأَرۡضَ وَٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ ٱلۡعُلَى ﴿٤﴾
大地と、高き諸天をお創りになったお方から、次々と下されたものとして。
ٱلرَّحۡمَـٰنُ عَلَى ٱلۡعَرۡشِ ٱسۡتَوَىٰ ﴿٥﴾
(かれは)慈悲あまねき*お方、まさに御座に上がられた¹。
لَهُۥ مَا فِی ٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ وَمَا فِی ٱلۡأَرۡضِ وَمَا بَیۡنَهُمَا وَمَا تَحۡتَ ٱلثَّرَىٰ ﴿٦﴾
かれにこそ、諸天にあるもの、地にあるもの、その間にあるもの、土の下にあるものは属する。
وَإِن تَجۡهَرۡ بِٱلۡقَوۡلِ فَإِنَّهُۥ یَعۡلَمُ ٱلسِّرَّ وَأَخۡفَى ﴿٧﴾
たとえあなたが言葉を露わにしても(隠しても)、本当にかれは秘密と、更に秘められたことをご存知である。
ٱللَّهُ لَاۤ إِلَـٰهَ إِلَّا هُوَۖ لَهُ ٱلۡأَسۡمَاۤءُ ٱلۡحُسۡنَىٰ ﴿٨﴾
アッラー*はかれ以外には崇拝*すべきもののないお方。かれにこそ、美名は属する。
إِذۡ رَءَا نَارࣰا فَقَالَ لِأَهۡلِهِ ٱمۡكُثُوۤاْ إِنِّیۤ ءَانَسۡتُ نَارࣰا لَّعَلِّیۤ ءَاتِیكُم مِّنۡهَا بِقَبَسٍ أَوۡ أَجِدُ عَلَى ٱلنَّارِ هُدࣰى ﴿١٠﴾
彼が火を目にし、自分の家族に(こう)言った時。「待っていなさい。まさに私は、火を見つけたのだ。私はそこからあなた方に、火種を持って来るだろう。あるいは火のもとに、(道の)案内人を見つけるかもしれない」。¹
فَلَمَّاۤ أَتَىٰهَا نُودِیَ یَـٰمُوسَىٰۤ ﴿١١﴾
こうして彼がそこ¹にやって来た時、(こう)呼びかけられた。「ムーサー*よ、
إِنِّیۤ أَنَا۠ رَبُّكَ فَٱخۡلَعۡ نَعۡلَیۡكَ إِنَّكَ بِٱلۡوَادِ ٱلۡمُقَدَّسِ طُوࣰى ﴿١٢﴾
本当にわれこそは、あなたの主*である。ならば、(われとの語らいのため、)あなたの靴を脱ぐがよい。まさにあなたは、聖なる谷トゥワー¹にいるのだから。
وَأَنَا ٱخۡتَرۡتُكَ فَٱسۡتَمِعۡ لِمَا یُوحَىٰۤ ﴿١٣﴾
そしてわれは、あなたを(使徒*として)選んだのだ。ならば、(あなたに)啓示されることに、耳を傾けよ。
إِنَّنِیۤ أَنَا ٱللَّهُ لَاۤ إِلَـٰهَ إِلَّاۤ أَنَا۠ فَٱعۡبُدۡنِی وَأَقِمِ ٱلصَّلَوٰةَ لِذِكۡرِیۤ ﴿١٤﴾
本当にわれこそは、われ以外に崇拝*すべきもののない、アッラー*。ゆえにわれを崇拝*し、われを唱念すべく礼拝を遵守*せよ。
إِنَّ ٱلسَّاعَةَ ءَاتِیَةٌ أَكَادُ أُخۡفِیهَا لِتُجۡزَىٰ كُلُّ نَفۡسِۭ بِمَا تَسۡعَىٰ ﴿١٥﴾
本当にその時(復活の日*)は、訪れる。全ての者が自分の努力することによって報われるようにするため、われはそれ(が訪れる時)を、(われ自身にさえも)隠してしまわんばかりである。¹
فَلَا یَصُدَّنَّكَ عَنۡهَا مَن لَّا یُؤۡمِنُ بِهَا وَٱتَّبَعَ هَوَىٰهُ فَتَرۡدَىٰ ﴿١٦﴾
ならば、それを信じず、自分の欲望に従った者が、あなたをそれ¹から阻むようであってはならない。そうすれば、あなたは破滅してしまう。
قَالَ هِیَ عَصَایَ أَتَوَكَّؤُاْ عَلَیۡهَا وَأَهُشُّ بِهَا عَلَىٰ غَنَمِی وَلِیَ فِیهَا مَـَٔارِبُ أُخۡرَىٰ ﴿١٨﴾
彼は申し上げた。「これは、私の杖です。私はこれに寄りかかったり、これで(木々の葉を)私の羊の上に突き落としたりします。また、私にはそれに、外の使い道もあるのです」。
قَالَ خُذۡهَا وَلَا تَخَفۡۖ سَنُعِیدُهَا سِیرَتَهَا ٱلۡأُولَىٰ ﴿٢١﴾
かれは仰せられた。「それを掴め。そして怖がるのではない。われら*はそれを、元の形に戻すのだから。
وَٱضۡمُمۡ یَدَكَ إِلَىٰ جَنَاحِكَ تَخۡرُجۡ بَیۡضَاۤءَ مِنۡ غَیۡرِ سُوۤءٍ ءَایَةً أُخۡرَىٰ ﴿٢٢﴾
また、あなたの手を自分の脇に挟んでみよ。それはもう一つの御徴として、災い¹もなしに、白くなって出てくる。
لِنُرِیَكَ مِنۡ ءَایَـٰتِنَا ٱلۡكُبۡرَى ﴿٢٣﴾
(これらのことは、)われら*があなたに、われら*の最大の御徴¹の内から、見せてやるためなのである。
ٱذۡهَبۡ إِلَىٰ فِرۡعَوۡنَ إِنَّهُۥ طَغَىٰ ﴿٢٤﴾
(ムーサー*よ、われへと招くべく、)フィルアウン*のもとへ行くのだ。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから」。
قَالَ رَبِّ ٱشۡرَحۡ لِی صَدۡرِی ﴿٢٥﴾
彼は申し上げた。「我が主*よ、私の胸を広げ¹、
وَٱحۡلُلۡ عُقۡدَةࣰ مِّن لِّسَانِی ﴿٢٧﴾
私の舌のもつれ¹を解いて下さい。
ٱشۡدُدۡ بِهِۦۤ أَزۡرِی ﴿٣١﴾
彼によって、私の背中¹を強固にし、
وَلَقَدۡ مَنَنَّا عَلَیۡكَ مَرَّةً أُخۡرَىٰۤ ﴿٣٧﴾
そしてわれら*は確かに、別の時にも、あなたに恵みを垂れてやったのだ。¹
إِذۡ أَوۡحَیۡنَاۤ إِلَىٰۤ أُمِّكَ مَا یُوحَىٰۤ ﴿٣٨﴾
われら*があなたの母に、示されるもの¹を示した時。
أَنِ ٱقۡذِفِیهِ فِی ٱلتَّابُوتِ فَٱقۡذِفِیهِ فِی ٱلۡیَمِّ فَلۡیُلۡقِهِ ٱلۡیَمُّ بِٱلسَّاحِلِ یَأۡخُذۡهُ عَدُوࣱّ لِّی وَعَدُوࣱّ لَّهُۥۚ وَأَلۡقَیۡتُ عَلَیۡكَ مَحَبَّةࣰ مِّنِّی وَلِتُصۡنَعَ عَلَىٰ عَیۡنِیۤ ﴿٣٩﴾
「彼(生まれたばかりのムーサー*)を箱に入れて、それを海原¹へと放り投げよ²。そして海原に、それを岸へと投げ出させよ。そうすればわが敵と、彼(ムーサー*)にとっての敵³が、それを手にするから」。また、われはあなた(ムーサー*)に、わが御許からの愛情を授けた。そして、(それは)あなたが、わが眼差しの中で⁴育まれるためであったのだ。
إِذۡ تَمۡشِیۤ أُخۡتُكَ فَتَقُولُ هَلۡ أَدُلُّكُمۡ عَلَىٰ مَن یَكۡفُلُهُۥۖ فَرَجَعۡنَـٰكَ إِلَىٰۤ أُمِّكَ كَیۡ تَقَرَّ عَیۡنُهَا وَلَا تَحۡزَنَۚ وَقَتَلۡتَ نَفۡسࣰا فَنَجَّیۡنَـٰكَ مِنَ ٱلۡغَمِّ وَفَتَنَّـٰكَ فُتُونࣰاۚ فَلَبِثۡتَ سِنِینَ فِیۤ أَهۡلِ مَدۡیَنَ ثُمَّ جِئۡتَ عَلَىٰ قَدَرࣲ یَـٰمُوسَىٰ ﴿٤٠﴾
あなた(ムーサー*)の姉が、(あなたの入った箱を追って)歩んで行き、(その箱を拾った者に、こう)言った時。「あなた方に、彼の世話をしてくれる者を、お教えしましょうか?」こうして、われら*はあなたを、あなたの母親へと返した。(それは)彼女が喜ぶ¹ようにし、悲しまないようにするためであった。また、あなたは(過って、コプト)人を殺してしまった¹けれど、われら*はあなたを苦悩から救ってやった。そしてわれら*は、あなたをまさに試練にかけたのだ。また、あなたは(殺されるのを怖れて逃げ、)マドゥヤン*の民のもとで数年過ごし、それから定め通りーームーサー*よーーあなたはやって来たのだ²。
وَٱصۡطَنَعۡتُكَ لِنَفۡسِی ﴿٤١﴾
われは、われ自身の(教えの伝達の)ために、あなたを(これらの恩恵で)養成した¹のである。
ٱذۡهَبۡ أَنتَ وَأَخُوكَ بِـَٔایَـٰتِی وَلَا تَنِیَا فِی ذِكۡرِی ﴿٤٢﴾
あなた(ムーサー*)と、あなたの兄(ハールーン*)は、わが御徴¹を携えて行くのだ。そして、われの唱念(を持続すること)において、気力を失ってはならない。
ٱذۡهَبَاۤ إِلَىٰ فِرۡعَوۡنَ إِنَّهُۥ طَغَىٰ ﴿٤٣﴾
(二人で、)フィルアウン*のもとに行け。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから。
فَقُولَا لَهُۥ قَوۡلࣰا لَّیِّنࣰا لَّعَلَّهُۥ یَتَذَكَّرُ أَوۡ یَخۡشَىٰ ﴿٤٤﴾
そして、彼が教訓を得、(自分の主*を)恐れるよう、彼に柔らかい言葉で語りかけよ。
قَالَا رَبَّنَاۤ إِنَّنَا نَخَافُ أَن یَفۡرُطَ عَلَیۡنَاۤ أَوۡ أَن یَطۡغَىٰ ﴿٤٥﴾
彼ら二人は、申し上げた。「我らが主*よ、本当に私たちは、彼が私たちに対して早まったこと¹をしたり、あるいは(真理に対して)高慢になったりすることを怖れます」。
قَالَ لَا تَخَافَاۤۖ إِنَّنِی مَعَكُمَاۤ أَسۡمَعُ وَأَرَىٰ ﴿٤٦﴾
かれは仰せられた。「怖れるのではない。実にわれは、あなた方二人と共にあり、(あなた方のことを)聞き、見ているのだから」。
فَأۡتِیَاهُ فَقُولَاۤ إِنَّا رَسُولَا رَبِّكَ فَأَرۡسِلۡ مَعَنَا بَنِیۤ إِسۡرَ ٰۤءِیلَ وَلَا تُعَذِّبۡهُمۡۖ قَدۡ جِئۡنَـٰكَ بِـَٔایَةࣲ مِّن رَّبِّكَۖ وَٱلسَّلَـٰمُ عَلَىٰ مَنِ ٱتَّبَعَ ٱلۡهُدَىٰۤ ﴿٤٧﴾
そして、あなた方二人は彼のもとへ行き、(こう)言うのだ。「本当に私たちは、あなたの主*の二人の使徒*なのです。ですから、イスラーイールの子ら*を私たちと共に自由にし¹、彼らを苦しめないで下さい。私たちは確かに、あなたの主の御許からの御徴¹と共に、あなたのもとへやって来たのですから。導きに従う者には、(現世と来世での)平安があります。
إِنَّا قَدۡ أُوحِیَ إِلَیۡنَاۤ أَنَّ ٱلۡعَذَابَ عَلَىٰ مَن كَذَّبَ وَتَوَلَّىٰ ﴿٤٨﴾
本当に私たちには、(アッラー*の教えを)嘘呼ばわりし、(それから)背を向ける者には懲罰があると、確かに啓示されたのです」。
قَالَ رَبُّنَا ٱلَّذِیۤ أَعۡطَىٰ كُلَّ شَیۡءٍ خَلۡقَهُۥ ثُمَّ هَدَىٰ ﴿٥٠﴾
彼(ムーサー*)は言った。「我らが主*は、全てのものにその(相応しい)形をお授けになり、それから導かれた¹お方です」。
قَالَ عِلۡمُهَا عِندَ رَبِّی فِی كِتَـٰبࣲۖ لَّا یَضِلُّ رَبِّی وَلَا یَنسَى ﴿٥٢﴾
彼(ムーサー*)は言った。「その知識は、我が主*の御許、書¹の中にあります。我が主*は間違えることも、忘れることもありません。
ٱلَّذِی جَعَلَ لَكُمُ ٱلۡأَرۡضَ مَهۡدࣰا وَسَلَكَ لَكُمۡ فِیهَا سُبُلࣰا وَأَنزَلَ مِنَ ٱلسَّمَاۤءِ مَاۤءࣰ فَأَخۡرَجۡنَا بِهِۦۤ أَزۡوَ ٰجࣰا مِّن نَّبَاتࣲ شَتَّىٰ ﴿٥٣﴾
(かれは、)あなた方のために大地を平坦にされ、あなた方のためにそこに(多くの)道をお通しになり、天から(雨)水をお降らしになったお方」。そして、われら*はそれで、様々な種類の植物を出(し、育成)させる。
كُلُواْ وَٱرۡعَوۡاْ أَنۡعَـٰمَكُمۡۚ إِنَّ فِی ذَ ٰلِكَ لَـَٔایَـٰتࣲ لِّأُوْلِی ٱلنُّهَىٰ ﴿٥٤﴾
(アッラー*がお恵みになったよき作物から、)食べ、(それで)あなた方の家畜を飼育するがよい。本当にその中にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴¹があるのだ。
۞ مِنۡهَا خَلَقۡنَـٰكُمۡ وَفِیهَا نُعِیدُكُمۡ وَمِنۡهَا نُخۡرِجُكُمۡ تَارَةً أُخۡرَىٰ ﴿٥٥﴾
われら*は、あなた方をそれ(大地)から創り、(死後には)その中へとあなた方を戻し、そして(復活の日*には)再び、そこからあなた方を出すのである。
وَلَقَدۡ أَرَیۡنَـٰهُ ءَایَـٰتِنَا كُلَّهَا فَكَذَّبَ وَأَبَىٰ ﴿٥٦﴾
われら*は確かに彼(フィルアウン*)に対し、われら*の御徴¹を全て見せた。そして彼は(それらを)嘘とし、拒んだのだ。
قَالَ أَجِئۡتَنَا لِتُخۡرِجَنَا مِنۡ أَرۡضِنَا بِسِحۡرِكَ یَـٰمُوسَىٰ ﴿٥٧﴾
彼(フィルアウン*)は言った。「一体あなたはーームーサー*よーー、あなたの魔術で私たちを、私たちの地から追い出すため、私たちのもとにやって来たのか?
فَلَنَأۡتِیَنَّكَ بِسِحۡرࣲ مِّثۡلِهِۦ فَٱجۡعَلۡ بَیۡنَنَا وَبَیۡنَكَ مَوۡعِدࣰا لَّا نُخۡلِفُهُۥ نَحۡنُ وَلَاۤ أَنتَ مَكَانࣰا سُوࣰى ﴿٥٨﴾
それでは、私たちも必ずや、それと同様の魔術をあなたに披露しよう。そして私たちとあなたの間に、私たちも、あなたも違えることのない約束を、中ほどの場¹に設けるのだ」。²
قَالَ مَوۡعِدُكُمۡ یَوۡمُ ٱلزِّینَةِ وَأَن یُحۡشَرَ ٱلنَّاسُ ضُحࣰى ﴿٥٩﴾
彼(ムーサー*)は言った。「あなた方の約束(の日時)は、晴れ着の日¹で、人々は朝²に集められます」。
قَالَ لَهُم مُّوسَىٰ وَیۡلَكُمۡ لَا تَفۡتَرُواْ عَلَى ٱللَّهِ كَذِبࣰا فَیُسۡحِتَكُم بِعَذَابࣲۖ وَقَدۡ خَابَ مَنِ ٱفۡتَرَىٰ ﴿٦١﴾
ムーサー*は、彼ら(魔術師たち)に言った。「あなた方の災難に(気を付けよ)。アッラー*に対して嘘をでっち上げてはならない。そうすれば、かれはあなた方を罰で根こそぎにしてしまおう。(アッラー*に)嘘をでっち上げる者は、確かに敗北するのだ」。
فَتَنَـٰزَعُوۤاْ أَمۡرَهُم بَیۡنَهُمۡ وَأَسَرُّواْ ٱلنَّجۡوَىٰ ﴿٦٢﴾
すると彼らは、仲間内で自分たちの事について論議し、密かに密談した。
قَالُوۤاْ إِنۡ هَـٰذَ ٰنِ لَسَـٰحِرَ ٰنِ یُرِیدَانِ أَن یُخۡرِجَاكُم مِّنۡ أَرۡضِكُم بِسِحۡرِهِمَا وَیَذۡهَبَا بِطَرِیقَتِكُمُ ٱلۡمُثۡلَىٰ ﴿٦٣﴾
彼ら(魔術師たち)は言った。「実にこの二人(ムーサー*とハールーン*)は、まさしく魔術師である。彼ら二人はその魔術で、あなた方をあなた方の地から追い出し、あなた方の最善のやり方¹を葬り去ろうとしているのだ。
فَأَجۡمِعُواْ كَیۡدَكُمۡ ثُمَّ ٱئۡتُواْ صَفࣰّاۚ وَقَدۡ أَفۡلَحَ ٱلۡیَوۡمَ مَنِ ٱسۡتَعۡلَىٰ ﴿٦٤﴾
ならば、あなた方の策略を練り上げ、それから一列になって行くのだ。そしてこの日、(相手に)勝った者は、確かに成功を収めたことになる」。
قَالُواْ یَـٰمُوسَىٰۤ إِمَّاۤ أَن تُلۡقِیَ وَإِمَّاۤ أَن نَّكُونَ أَوَّلَ مَنۡ أَلۡقَىٰ ﴿٦٥﴾
彼ら(魔術師たち)は、言った。「ムーサー*よ、あなた方が杖を投げるか、それとも私たちが最初に(自分たちが持っているものを)投げる者となるか?」
قَالَ بَلۡ أَلۡقُواْۖ فَإِذَا حِبَالُهُمۡ وَعِصِیُّهُمۡ یُخَیَّلُ إِلَیۡهِ مِن سِحۡرِهِمۡ أَنَّهَا تَسۡعَىٰ ﴿٦٦﴾
彼(ムーサー*)は言った。「いや、あなた方が(先に)投げよ」。すると、彼らの縄と杖はどうであろうか、その魔術により、彼(ムーサー*)にはそれらが(大蛇と化して)這い回るように映った。
وَأَلۡقِ مَا فِی یَمِینِكَ تَلۡقَفۡ مَا صَنَعُوۤاْۖ إِنَّمَا صَنَعُواْ كَیۡدُ سَـٰحِرࣲۖ وَلَا یُفۡلِحُ ٱلسَّاحِرُ حَیۡثُ أَتَىٰ ﴿٦٩﴾
そして、あなたの右手にあるもの(杖)を投げよ。そうすれば、それは彼らの作ったもの¹を、呑み込んでしまう。本当に彼らの作ったものは、魔術師の策略なのだ。そして魔術師はどこに行こうと、成功することなどはない」。
فَأُلۡقِیَ ٱلسَّحَرَةُ سُجَّدࣰا قَالُوۤاْ ءَامَنَّا بِرَبِّ هَـٰرُونَ وَمُوسَىٰ ﴿٧٠﴾
(こうしてムーサー*は杖を投げ、それは幻の大蛇を呑み込んだ。)そして魔術師たちは、サジダ*しつつ崩れ落ちた¹。彼らは言った。「私たちは、ハールーン*とムーサー*の主*を信じました」。
قَالَ ءَامَنتُمۡ لَهُۥ قَبۡلَ أَنۡ ءَاذَنَ لَكُمۡۖ إِنَّهُۥ لَكَبِیرُكُمُ ٱلَّذِی عَلَّمَكُمُ ٱلسِّحۡرَۖ فَلَأُقَطِّعَنَّ أَیۡدِیَكُمۡ وَأَرۡجُلَكُم مِّنۡ خِلَـٰفࣲ وَلَأُصَلِّبَنَّكُمۡ فِی جُذُوعِ ٱلنَّخۡلِ وَلَتَعۡلَمُنَّ أَیُّنَاۤ أَشَدُّ عَذَابࣰا وَأَبۡقَىٰ ﴿٧١﴾
彼(フィルアウン*)は言った。「私があなた方に許可を出す前に、あなた方は彼を信じた(のか)。本当に彼はまさしく、あなた方に魔術を教えた。あなた方の親玉なのだ。ならば私は必ずや、あなた方の手足を交互に切り落とし、あなた方をナツメヤシの木の幹に磔にしてやろう。そしてあなた方はきっと、私たち¹のいずれが、より厳しく永い罰(の主)なのか、知ることになるのだ」。
قَالُواْ لَن نُّؤۡثِرَكَ عَلَىٰ مَا جَاۤءَنَا مِنَ ٱلۡبَیِّنَـٰتِ وَٱلَّذِی فَطَرَنَاۖ فَٱقۡضِ مَاۤ أَنتَ قَاضٍۖ إِنَّمَا تَقۡضِی هَـٰذِهِ ٱلۡحَیَوٰةَ ٱلدُّنۡیَاۤ ﴿٧٢﴾
彼ら(魔術師たち)は言った。「私たちは決して、私たちのもとに到来した明証と、私たちを創成されたお方¹より、あなたを重んじたりはしません。では、あなたのすることを、するがよいでしょう。あなたが(権限を有)するのは、この現世の生活だけのことなのですから。
إِنَّاۤ ءَامَنَّا بِرَبِّنَا لِیَغۡفِرَ لَنَا خَطَـٰیَـٰنَا وَمَاۤ أَكۡرَهۡتَنَا عَلَیۡهِ مِنَ ٱلسِّحۡرِۗ وَٱللَّهُ خَیۡرࣱ وَأَبۡقَىٰۤ ﴿٧٣﴾
本当に私たちは、かれ(アッラー*)が私たちの過ちと、あなたが私たちに無理強いした魔術のことをお赦しになるべく、私たちの主*を信じました。そしてアッラー*は(あなたよりも)より善く、より永いお方¹なのです」。²
إِنَّهُۥ مَن یَأۡتِ رَبَّهُۥ مُجۡرِمࣰا فَإِنَّ لَهُۥ جَهَنَّمَ لَا یَمُوتُ فِیهَا وَلَا یَحۡیَىٰ ﴿٧٤﴾
本当に、自分の主*の御許に罪悪者(不信仰者*)として馳せ参じる者があれば、地獄は彼のためにこそある。彼はそこで(安らぐべく)死ぬことも、(楽しく)生きることもない。
وَمَن یَأۡتِهِۦ مُؤۡمِنࣰا قَدۡ عَمِلَ ٱلصَّـٰلِحَـٰتِ فَأُوْلَـٰۤىِٕكَ لَهُمُ ٱلدَّرَجَـٰتُ ٱلۡعُلَىٰ ﴿٧٥﴾
そしてかれの御許に、正しい行い*に励んだ信仰者としてやって来る者、それらの者たちにこそは(天国で)高い位がある。
جَنَّـٰتُ عَدۡنࣲ تَجۡرِی مِن تَحۡتِهَا ٱلۡأَنۡهَـٰرُ خَـٰلِدِینَ فِیهَاۚ وَذَ ٰلِكَ جَزَاۤءُ مَن تَزَكَّىٰ ﴿٧٦﴾
その下から河川が流れる、永久の楽園が。彼らはそこに永遠に留まる。それが、自らを努めて清めた者¹への褒美なのだ。
وَلَقَدۡ أَوۡحَیۡنَاۤ إِلَىٰ مُوسَىٰۤ أَنۡ أَسۡرِ بِعِبَادِی فَٱضۡرِبۡ لَهُمۡ طَرِیقࣰا فِی ٱلۡبَحۡرِ یَبَسࣰا لَّا تَخَـٰفُ دَرَكࣰا وَلَا تَخۡشَىٰ ﴿٧٧﴾
また、われら*は確かに、ムーサー*に(こう)啓示した¹。「われら*の僕たち(イスラーイールの子ら*)と共に、夜(エジプトを)旅立て。そして(追っ手が)追いつくことを怖がらず、(溺れることも)恐れず、彼らのため、海に干上がった道を作ってやるのだ」。
فَأَتۡبَعَهُمۡ فِرۡعَوۡنُ بِجُنُودِهِۦ فَغَشِیَهُم مِّنَ ٱلۡیَمِّ مَا غَشِیَهُمۡ ﴿٧٨﴾
こうしてフィルアウン*は、その軍勢に彼らを追跡させた。そして海原から彼らを、彼らを覆ったものが覆った¹。
یَـٰبَنِیۤ إِسۡرَ ٰۤءِیلَ قَدۡ أَنجَیۡنَـٰكُم مِّنۡ عَدُوِّكُمۡ وَوَ ٰعَدۡنَـٰكُمۡ جَانِبَ ٱلطُّورِ ٱلۡأَیۡمَنَ وَنَزَّلۡنَا عَلَیۡكُمُ ٱلۡمَنَّ وَٱلسَّلۡوَىٰ ﴿٨٠﴾
イスラーイールの子ら*よ、われら*は確かにあなた方¹を、あなた方の敵から救った。また山の右側であなた方と約束を交わし²、あなた方にマンヌとウズラ³を下した。
كُلُواْ مِن طَیِّبَـٰتِ مَا رَزَقۡنَـٰكُمۡ وَلَا تَطۡغَوۡاْ فِیهِ فَیَحِلَّ عَلَیۡكُمۡ غَضَبِیۖ وَمَن یَحۡلِلۡ عَلَیۡهِ غَضَبِی فَقَدۡ هَوَىٰ ﴿٨١﴾
われら*があなた方に授けた善きものから、食べるがよい。そしてそれにおいて、放埓であってはならない¹。そうすれば、あなた方にわが怒りが降りかかろう。わが怒りが降りかかる者は誰でも、確かに転落し(破滅し)た²のである。
وَإِنِّی لَغَفَّارࣱ لِّمَن تَابَ وَءَامَنَ وَعَمِلَ صَـٰلِحࣰا ثُمَّ ٱهۡتَدَىٰ ﴿٨٢﴾
本当にわれは、悔悟し、信仰し、正しい行い*に励み、そして導かれた者に対し、実に赦し深い者なのである。
۞ وَمَاۤ أَعۡجَلَكَ عَن قَوۡمِكَ یَـٰمُوسَىٰ ﴿٨٣﴾
(アッラー*は仰せられた。)「何があなたを、あなたの民から急がせたのか¹、ムーサー*よ?」
قَالَ هُمۡ أُوْلَاۤءِ عَلَىٰۤ أَثَرِی وَعَجِلۡتُ إِلَیۡكَ رَبِّ لِتَرۡضَىٰ ﴿٨٤﴾
彼(ムーサー*)は、申し上げた。「彼らは、私の後を追って来ている、あれらの者たちです。そして私はーー我が主*よーー、あなたがお喜びになるべく、(彼らを置いて)あなたの御許へと急いだのです」。
قَالَ فَإِنَّا قَدۡ فَتَنَّا قَوۡمَكَ مِنۢ بَعۡدِكَ وَأَضَلَّهُمُ ٱلسَّامِرِیُّ ﴿٨٥﴾
かれは仰せられた。「というのも実にわれら*は、あなた(の民との離別)の後、確かにあなたの民を試みたのだ。そしてサーミリーが彼らを、迷わせたのである」。¹
فَرَجَعَ مُوسَىٰۤ إِلَىٰ قَوۡمِهِۦ غَضۡبَـٰنَ أَسِفࣰاۚ قَالَ یَـٰقَوۡمِ أَلَمۡ یَعِدۡكُمۡ رَبُّكُمۡ وَعۡدًا حَسَنًاۚ أَفَطَالَ عَلَیۡكُمُ ٱلۡعَهۡدُ أَمۡ أَرَدتُّمۡ أَن یَحِلَّ عَلَیۡكُمۡ غَضَبࣱ مِّن رَّبِّكُمۡ فَأَخۡلَفۡتُم مَّوۡعِدِی ﴿٨٦﴾
ムーサー*は怒り、悲しみつつ、自分の民のもとに戻った。彼は言った。「我が民よ、一体あなた方の主*は、あなた方に、善きお約束¹を約束されたのではなかったのか?一体、(約束の)その期間が、あなた方に長引い(て待ち切れなくなっ)たというのか?それともあなた方は、あなた方の主*からのお怒りが自分たちに降りかかることを望み、それで私との約束を破ったのか?」
قَالُواْ مَاۤ أَخۡلَفۡنَا مَوۡعِدَكَ بِمَلۡكِنَا وَلَـٰكِنَّا حُمِّلۡنَاۤ أَوۡزَارࣰا مِّن زِینَةِ ٱلۡقَوۡمِ فَقَذَفۡنَـٰهَا فَكَذَ ٰلِكَ أَلۡقَى ٱلسَّامِرِیُّ ﴿٨٧﴾
彼らは言った。「私たちは自分たちの選択で、あなたとの約束を破ったわけではない。しかし私たちは(フィルアウン*の)民の宝飾品の内から、思い荷物を背負わされたのであり、それを(サーミリーの命令通り、火を点けた穴の中に)放り込んだのだ¹。そしてサーミリーも同じように、放り投げた²」。
فَأَخۡرَجَ لَهُمۡ عِجۡلࣰا جَسَدࣰا لَّهُۥ خُوَارࣱ فَقَالُواْ هَـٰذَاۤ إِلَـٰهُكُمۡ وَإِلَـٰهُ مُوسَىٰ فَنَسِیَ ﴿٨٨﴾
こうして彼(サーミリー)は彼らに、鳴き声を有する、実体のある仔牛を(それらの黄金から作って)出した。そして彼ら¹は、言ったのだ。「これは、あなた方の神²であり、ムーサー*の神である。そして彼(ムーサー*)は、(仔牛のことを)忘れてしまった³のだ」。
أَفَلَا یَرَوۡنَ أَلَّا یَرۡجِعُ إِلَیۡهِمۡ قَوۡلࣰا وَلَا یَمۡلِكُ لَهُمۡ ضَرࣰّا وَلَا نَفۡعࣰا ﴿٨٩﴾
一体彼らは、それ(仔牛)が彼らに言葉も返さなければ、彼らに対して害も益も有してはいない¹のが、分からないのか?
وَلَقَدۡ قَالَ لَهُمۡ هَـٰرُونُ مِن قَبۡلُ یَـٰقَوۡمِ إِنَّمَا فُتِنتُم بِهِۦۖ وَإِنَّ رَبَّكُمُ ٱلرَّحۡمَـٰنُ فَٱتَّبِعُونِی وَأَطِیعُوۤاْ أَمۡرِی ﴿٩٠﴾
(ムーサー*の帰還)以前、ハールーン*は彼らに対し、確かに(こう)言った。「我が民よ、あなた方はまさしく、それ(仔牛)で試されている。そして本当に、あなた方の主*は慈悲あまねき*お方。ならば私に従い、私の命令に服すのだ」。
قَالُواْ لَن نَّبۡرَحَ عَلَیۡهِ عَـٰكِفِینَ حَتَّىٰ یَرۡجِعَ إِلَیۡنَا مُوسَىٰ ﴿٩١﴾
彼らは言った。「私たちは、ムーサー*が私たちの所に戻って来るまで、それ(仔牛)に崇め仕えるのを決して止めないぞ」。
قَالَ یَـٰهَـٰرُونُ مَا مَنَعَكَ إِذۡ رَأَیۡتَهُمۡ ضَلُّوۤاْ ﴿٩٢﴾
彼(ムーサー*)は言った。「ハールーン*よ、彼らが迷ったのを目にした時、あなたを引き止めたものは何なのか、
أَلَّا تَتَّبِعَنِۖ أَفَعَصَیۡتَ أَمۡرِی ﴿٩٣﴾
あなたが私に従うことから(引き止めたのは)?一体、あなたは私の命令に背いたのか?¹」
قَالَ یَبۡنَؤُمَّ لَا تَأۡخُذۡ بِلِحۡیَتِی وَلَا بِرَأۡسِیۤۖ إِنِّی خَشِیتُ أَن تَقُولَ فَرَّقۡتَ بَیۡنَ بَنِیۤ إِسۡرَ ٰۤءِیلَ وَلَمۡ تَرۡقُبۡ قَوۡلِی ﴿٩٤﴾
彼(ハールーン*)は言った。「我が母の息子¹よ、私のあごひげも、頭(髪)も、掴まないでくれ。本当に私は、(もし私が彼らを放ったらかしにて、あなたを追っかけていたら、)『あなたはイスラーイールの子ら*を分裂させ、私の言いつけも守らなかった』とあなたが言うことを、恐れていたのだ」。²
قَالَ بَصُرۡتُ بِمَا لَمۡ یَبۡصُرُواْ بِهِۦ فَقَبَضۡتُ قَبۡضَةࣰ مِّنۡ أَثَرِ ٱلرَّسُولِ فَنَبَذۡتُهَا وَكَذَ ٰلِكَ سَوَّلَتۡ لِی نَفۡسِی ﴿٩٦﴾
彼(サーミリー)は言った。「私は、彼らが目にしなかったもの(ジブリール*)を見たのです¹。それで私は、御使い(ジブリール*)の(馬の足)跡から、一掴み(の土)を手にし、それを(燃やして溶けた宝飾品に)投げかけました。そのように私の自我は、(このような行いを)自分自身に目映く見せたのです」。²
قَالَ فَٱذۡهَبۡ فَإِنَّ لَكَ فِی ٱلۡحَیَوٰةِ أَن تَقُولَ لَا مِسَاسَۖ وَإِنَّ لَكَ مَوۡعِدࣰا لَّن تُخۡلَفَهُۥۖ وَٱنظُرۡ إِلَىٰۤ إِلَـٰهِكَ ٱلَّذِی ظَلۡتَ عَلَیۡهِ عَاكِفࣰاۖ لَّنُحَرِّقَنَّهُۥ ثُمَّ لَنَنسِفَنَّهُۥ فِی ٱلۡیَمِّ نَسۡفًا ﴿٩٧﴾
彼(ムーサー*)は言った。「ならば、行くがよい。というのも本当にあなたは、この(現世での)生活にいる間は『(私に)近づくのではない』と言うこと¹になり、本当にあなたにこそは、決して破られることのない(来世での懲罰の)約束があるのだから。あなたが仕えていた自分の神(仔牛)を、見てみるがよい。私たちはそれを必ずや焼き尽くし、それからきっと、それを海原に跡形もなくばら撒いてしまおう」。
إِنَّمَاۤ إِلَـٰهُكُمُ ٱللَّهُ ٱلَّذِی لَاۤ إِلَـٰهَ إِلَّا هُوَۚ وَسِعَ كُلَّ شَیۡءٍ عِلۡمࣰا ﴿٩٨﴾
あなた方が崇拝*すべきは、かれ以外に(真に)崇拝*すべきいかなるものもない、アッラー*のみ。かれは(その)知識で、全てのものを網羅し給う。
كَذَ ٰلِكَ نَقُصُّ عَلَیۡكَ مِنۡ أَنۢبَاۤءِ مَا قَدۡ سَبَقَۚ وَقَدۡ ءَاتَیۡنَـٰكَ مِن لَّدُنَّا ذِكۡرࣰا ﴿٩٩﴾
(使徒*ムハンマド*よ、)そのようにわれら*は、既に過ぎ去ったものの消息の一部を、あなたに語って聞かせる。また、われら*は確かにわれら*の御許から、あなたに教訓(クルアーン*)を授けたのである。
مَّنۡ أَعۡرَضَ عَنۡهُ فَإِنَّهُۥ یَحۡمِلُ یَوۡمَ ٱلۡقِیَـٰمَةِ وِزۡرًا ﴿١٠٠﴾
それ(クルアーン*)に背を向ける者は誰でも、本当に復活の日*、(罪という)重荷を背負うことになる。
خَـٰلِدِینَ فِیهِۖ وَسَاۤءَ لَهُمۡ یَوۡمَ ٱلۡقِیَـٰمَةِ حِمۡلࣰا ﴿١٠١﴾
彼らはそこ(懲罰)に、永遠に留まる。そして復活の日*、彼らの荷物は何と忌まわしいことか。
یَوۡمَ یُنفَخُ فِی ٱلصُّورِۚ وَنَحۡشُرُ ٱلۡمُجۡرِمِینَ یَوۡمَىِٕذࣲ زُرۡقࣰا ﴿١٠٢﴾
角笛に吹き込まれるその日¹、われら*はその日、眼が青くなった²罪悪者たちを召集する。
یَتَخَـٰفَتُونَ بَیۡنَهُمۡ إِن لَّبِثۡتُمۡ إِلَّا عَشۡرࣰا ﴿١٠٣﴾
彼らは、自分たちの間で、ひそひそ話し合(い、こう言)う。「あなた方は(現世で)、十(日間)しか過ごさなかった」。¹
نَّحۡنُ أَعۡلَمُ بِمَا یَقُولُونَ إِذۡ یَقُولُ أَمۡثَلُهُمۡ طَرِیقَةً إِن لَّبِثۡتُمۡ إِلَّا یَوۡمࣰا ﴿١٠٤﴾
われら*は、彼らの中で最も見識ある者が、「あなた方は(現世で)、一日しか過ごさなかった」と言う時、彼らの言うことを最もよく知っているのだ。
وَیَسۡـَٔلُونَكَ عَنِ ٱلۡجِبَالِ فَقُلۡ یَنسِفُهَا رَبِّی نَسۡفࣰا ﴿١٠٥﴾
(使徒*よ、)彼らは、(復活の日*の)山々(の状態)について、あなたに尋ねる。ならば、言うのだ。「我が主*はそれらを、跡形もなく粉々にされる。¹
یَوۡمَىِٕذࣲ یَتَّبِعُونَ ٱلدَّاعِیَ لَا عِوَجَ لَهُۥۖ وَخَشَعَتِ ٱلۡأَصۡوَاتُ لِلرَّحۡمَـٰنِ فَلَا تَسۡمَعُ إِلَّا هَمۡسࣰا ﴿١٠٨﴾
その日、彼らは呼ぶ者(の声)に従(い、集合の場へと向か)う。彼からの逃げ道は、全くない。そして(人々の)声は、慈悲あまねき*お方(アッラー*)に対して恭順¹にな(って消え入)り、あなたはひそひそ声²しか耳にすることがないのだ。
یَوۡمَىِٕذࣲ لَّا تَنفَعُ ٱلشَّفَـٰعَةُ إِلَّا مَنۡ أَذِنَ لَهُ ٱلرَّحۡمَـٰنُ وَرَضِیَ لَهُۥ قَوۡلࣰا ﴿١٠٩﴾
その日、慈悲あまねき*お方が許可を授け、その言葉においてご満悦された者以外、執り成しは役に立たない。¹
یَعۡلَمُ مَا بَیۡنَ أَیۡدِیهِمۡ وَمَا خَلۡفَهُمۡ وَلَا یُحِیطُونَ بِهِۦ عِلۡمࣰا ﴿١١٠﴾
かれは、彼らの前にあるものも、背後にあるもの¹も、ご存知なのだ。また彼らが、かれのことを知り尽くすことは出来ない。
۞ وَعَنَتِ ٱلۡوُجُوهُ لِلۡحَیِّ ٱلۡقَیُّومِۖ وَقَدۡ خَابَ مَنۡ حَمَلَ ظُلۡمࣰا ﴿١١١﴾
そして(人々の)顔¹は、永生する*お方、全てを司る*お方へと屈服する。不正*を背負った者は、(復活の日*、)確かに敗北したのだ。
وَمَن یَعۡمَلۡ مِنَ ٱلصَّـٰلِحَـٰتِ وَهُوَ مُؤۡمِنࣱ فَلَا یَخَافُ ظُلۡمࣰا وَلَا هَضۡمࣰا ﴿١١٢﴾
そして信仰者で正しい行い*を行う者は誰であれ、不正*も欠損も怖れることがない¹。
وَكَذَ ٰلِكَ أَنزَلۡنَـٰهُ قُرۡءَانًا عَرَبِیࣰّا وَصَرَّفۡنَا فِیهِ مِنَ ٱلۡوَعِیدِ لَعَلَّهُمۡ یَتَّقُونَ أَوۡ یُحۡدِثُ لَهُمۡ ذِكۡرࣰا ﴿١١٣﴾
そのように、われら*はそれをアラビア語のクルアーン*として下し、その中で警告を多彩に示した。(それは、)彼らが(アッラー*を)畏れ*るため、あるいは彼らに教訓を汲ませるためなのである。
فَتَعَـٰلَى ٱللَّهُ ٱلۡمَلِكُ ٱلۡحَقُّۗ وَلَا تَعۡجَلۡ بِٱلۡقُرۡءَانِ مِن قَبۡلِ أَن یُقۡضَىٰۤ إِلَیۡكَ وَحۡیُهُۥۖ وَقُل رَّبِّ زِدۡنِی عِلۡمࣰا ﴿١١٤﴾
そして、王であり、真理であられるアッラー*は、(いかなる欠点からも)高遠なお方であられる。(使徒*よ)、あなたにその啓示が(一頻り)下り終わる前に、クルアーン*(を受け取ること)に慌てるのではない。そして、言うのだ。「我が主*よ、私に知識を増やして下さい」。¹
وَلَقَدۡ عَهِدۡنَاۤ إِلَىٰۤ ءَادَمَ مِن قَبۡلُ فَنَسِیَ وَلَمۡ نَجِدۡ لَهُۥ عَزۡمࣰا ﴿١١٥﴾
われら*は確かに以前、アーダム*に(楽園の木の実を食べないよう)命じた¹。そして彼は(そのことを)忘れてしまい、われらは彼に(命令を遵守するだけの)注意(の力)を見出すことがなかった。
وَإِذۡ قُلۡنَا لِلۡمَلَـٰۤىِٕكَةِ ٱسۡجُدُواْ لِـَٔادَمَ فَسَجَدُوۤاْ إِلَّاۤ إِبۡلِیسَ أَبَىٰ ﴿١١٦﴾
また、われら*が天使*たちに「アーダム*にサジダ¹せよ」と言い、彼らが(全員)サジダ*した時のこと(を思い出せ)²。但しイブリース*だけは別で、(それを)拒んだ。³
فَقُلۡنَا یَـٰۤـَٔادَمُ إِنَّ هَـٰذَا عَدُوࣱّ لَّكَ وَلِزَوۡجِكَ فَلَا یُخۡرِجَنَّكُمَا مِنَ ٱلۡجَنَّةِ فَتَشۡقَىٰۤ ﴿١١٧﴾
われら*は言った。「アーダム*よ、本当にこれ(イブリース*)はあなたと、あなたの妻に対する敵である。ならば、彼に(従って)あなた方二人を楽園¹から追い出させ、それであなた²が不幸になるようではならない。
فَوَسۡوَسَ إِلَیۡهِ ٱلشَّیۡطَـٰنُ قَالَ یَـٰۤـَٔادَمُ هَلۡ أَدُلُّكَ عَلَىٰ شَجَرَةِ ٱلۡخُلۡدِ وَمُلۡكࣲ لَّا یَبۡلَىٰ ﴿١٢٠﴾
すると、シャイターン*が彼に囁きかけて、言った。「アーダム*よ、永遠の(生を授けてくれる)木と、廃れることのない王権へと、あなたを案内してやろうか?」
فَأَكَلَا مِنۡهَا فَبَدَتۡ لَهُمَا سَوۡءَ ٰ تُهُمَا وَطَفِقَا یَخۡصِفَانِ عَلَیۡهِمَا مِن وَرَقِ ٱلۡجَنَّةِۚ وَعَصَىٰۤ ءَادَمُ رَبَّهُۥ فَغَوَىٰ ﴿١٢١﴾
こうして二人はそこから食べ、二人の恥部(アウラ*)は彼ら自身に露わになってしまい、二人は楽園の葉でそれら(アウラ*)を隠し始めた¹。アーダム*は彼の主*に逆らい、誤った²のである。
ثُمَّ ٱجۡتَبَـٰهُ رَبُّهُۥ فَتَابَ عَلَیۡهِ وَهَدَىٰ ﴿١٢٢﴾
それから、かれの主*は彼(アーダム*)をお選びになり、彼の悔悟をお受け入れになり、お導きになった。
قَالَ ٱهۡبِطَا مِنۡهَا جَمِیعَۢاۖ بَعۡضُكُمۡ لِبَعۡضٍ عَدُوࣱّۖ فَإِمَّا یَأۡتِیَنَّكُم مِّنِّی هُدࣰى فَمَنِ ٱتَّبَعَ هُدَایَ فَلَا یَضِلُّ وَلَا یَشۡقَىٰ ﴿١٢٣﴾
かれは仰せられた。「二人とも共に、(イブリース*と)互いに敵となって、そこ(楽園)から落ちて行け。そして、あなた方にわれら*の御許からの導きが到来した時、わが導き(使徒*と啓典)に従う者は誰でも、(現世で)迷うことはなく、(来世で)不幸になることもない。
وَمَنۡ أَعۡرَضَ عَن ذِكۡرِی فَإِنَّ لَهُۥ مَعِیشَةࣰ ضَنكࣰا وَنَحۡشُرُهُۥ یَوۡمَ ٱلۡقِیَـٰمَةِ أَعۡمَىٰ ﴿١٢٤﴾
また、わが教訓に背を向ける者、本当に彼には苦しい生活¹がある。そしてわれら*は復活の日*、彼を盲目にして集める²のだ」。
قَالَ رَبِّ لِمَ حَشَرۡتَنِیۤ أَعۡمَىٰ وَقَدۡ كُنتُ بَصِیرࣰا ﴿١٢٥﴾
彼は言う。「我が主*よ、どうして私を盲目にしてお集めになったのですか?私は(現世では、)目が見えていましたのに?」
قَالَ كَذَ ٰلِكَ أَتَتۡكَ ءَایَـٰتُنَا فَنَسِیتَهَاۖ وَكَذَ ٰلِكَ ٱلۡیَوۡمَ تُنسَىٰ ﴿١٢٦﴾
かれは仰せられる。「(あなたがしたことと、)同様(にしたの)である。われらの御徴はあなたに到来し、そしてあなたはそれを(故意に)忘れたのだから。それで同じようにこの日、あなたは(地獄に)忘れ去られよう」。
وَكَذَ ٰلِكَ نَجۡزِی مَنۡ أَسۡرَفَ وَلَمۡ یُؤۡمِنۢ بِـَٔایَـٰتِ رَبِّهِۦۚ وَلَعَذَابُ ٱلۡـَٔاخِرَةِ أَشَدُّ وَأَبۡقَىٰۤ ﴿١٢٧﴾
そのように、われら*は自分の主*の御徴を信じず、(主*への反抗に)度を越していた者に応報を与える。来世の懲罰こそは、より厳しく、より永いのである。
أَفَلَمۡ یَهۡدِ لَهُمۡ كَمۡ أَهۡلَكۡنَا قَبۡلَهُم مِّنَ ٱلۡقُرُونِ یَمۡشُونَ فِی مَسَـٰكِنِهِمۡۚ إِنَّ فِی ذَ ٰلِكَ لَـَٔایَـٰتࣲ لِّأُوْلِی ٱلنُّهَىٰ ﴿١٢٨﴾
一体、われら*が彼ら以前に、どれほど多くの(不信仰な)民*を滅ぼしたかが、彼らにはまだ明らかになってはいないのか?彼らはその者たちの住居の中を、(その滅亡の跡を目にして)歩いているというのに?本当にそこ¹にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴があるのだ。
وَلَوۡلَا كَلِمَةࣱ سَبَقَتۡ مِن رَّبِّكَ لَكَانَ لِزَامࣰا وَأَجَلࣱ مُّسَمࣰّى ﴿١٢٩﴾
(彼ら不信仰者*の懲罰を先送りにするという)あなたの主*からの先んじた御言葉と、定められた期限¹さえなければ、(彼らの早期での滅亡は)必然だったのである。
فَٱصۡبِرۡ عَلَىٰ مَا یَقُولُونَ وَسَبِّحۡ بِحَمۡدِ رَبِّكَ قَبۡلَ طُلُوعِ ٱلشَّمۡسِ وَقَبۡلَ غُرُوبِهَاۖ وَمِنۡ ءَانَاۤىِٕ ٱلَّیۡلِ فَسَبِّحۡ وَأَطۡرَافَ ٱلنَّهَارِ لَعَلَّكَ تَرۡضَىٰ ﴿١٣٠﴾
ならば(使徒*よ、)彼らの言うことに忍耐*せよ。また、太陽が昇る前とそれが沈む前、そして夜の一部¹において、あなたの主*の称賛*と共に(かれを)称える*のだ。また、昼の端々¹に(アッラー*を)称えよ。(それは、)あなたが(その褒美で)満足するようになるためである。
وَلَا تَمُدَّنَّ عَیۡنَیۡكَ إِلَىٰ مَا مَتَّعۡنَا بِهِۦۤ أَزۡوَ ٰجࣰا مِّنۡهُمۡ زَهۡرَةَ ٱلۡحَیَوٰةِ ٱلدُّنۡیَا لِنَفۡتِنَهُمۡ فِیهِۚ وَرِزۡقُ رَبِّكَ خَیۡرࣱ وَأَبۡقَىٰ ﴿١٣١﴾
また、われら*が彼ら(不信仰者*))の内の様々な者たちを楽しませているものに、決してあなたの(羨望の)視線を釘付けにするのではない。(それは、)われら*がそれで彼らを試練にかけるための、現世の生活の飾りなのである。あなたの主*の糧¹は、(彼らが味わっている享楽)より善く、より永く続くものなのだ。
وَأۡمُرۡ أَهۡلَكَ بِٱلصَّلَوٰةِ وَٱصۡطَبِرۡ عَلَیۡهَاۖ لَا نَسۡـَٔلُكَ رِزۡقࣰاۖ نَّحۡنُ نَرۡزُقُكَۗ وَٱلۡعَـٰقِبَةُ لِلتَّقۡوَىٰ ﴿١٣٢﴾
また(使徒*よ)、あなたの家族¹に礼拝を命じ、それ(を行うこと)において忍耐*を重ねよ。われら*があなたに糧を求めるのではなく²、われら*があなたに糧を与えるのだから。そして(現世と来世における、善き)結末は、敬虔*さ(を纏った者たち)にあるのだ。
وَقَالُواْ لَوۡلَا یَأۡتِینَا بِـَٔایَةࣲ مِّن رَّبِّهِۦۤۚ أَوَلَمۡ تَأۡتِهِم بَیِّنَةُ مَا فِی ٱلصُّحُفِ ٱلۡأُولَىٰ ﴿١٣٣﴾
彼らは言う。「どうして彼(使徒*)は自分の主*の御許から、私たちに御徴¹を持って来ないのか?」一体、以前の書巻の中にあるものに対する明証²は、彼らに到来しなかったのか?
وَلَوۡ أَنَّاۤ أَهۡلَكۡنَـٰهُم بِعَذَابࣲ مِّن قَبۡلِهِۦ لَقَالُواْ رَبَّنَا لَوۡلَاۤ أَرۡسَلۡتَ إِلَیۡنَا رَسُولࣰا فَنَتَّبِعَ ءَایَـٰتِكَ مِن قَبۡلِ أَن نَّذِلَّ وَنَخۡزَىٰ ﴿١٣٤﴾
もしわれら*が懲罰によって、それ以前¹に彼らを滅亡させていたら、彼らは(こう)言ったであろう。「我らが主*よ、どうしてあなたは私たちに、使徒*を遣わしてくれなかったのですか?そうすれば私たちは、(あなたの懲罰によって)卑しめられ、辱められる前に、あなたの御徴に従いましたのに」。²