طسۤۚ تِلۡكَ ءَایَـٰتُ ٱلۡقُرۡءَانِ وَكِتَابࣲ مُّبِینٍ ﴿١﴾
ター・スィーン¹。これはクルアーン*と解明する啓典²の御印（アーヤ*）
ٱلَّذِینَ یُقِیمُونَ ٱلصَّلَوٰةَ وَیُؤۡتُونَ ٱلزَّكَوٰةَ وَهُم بِٱلۡـَٔاخِرَةِ هُمۡ یُوقِنُونَ ﴿٣﴾
（彼らは、）来世こそをまさに確信しつつ、礼拝を遵守*し、浄財*を支払う者たち。
إِنَّ ٱلَّذِینَ لَا یُؤۡمِنُونَ بِٱلۡـَٔاخِرَةِ زَیَّنَّا لَهُمۡ أَعۡمَـٰلَهُمۡ فَهُمۡ یَعۡمَهُونَ ﴿٤﴾
本当に、来世を信じない者たち、彼らに対してわれら*は、その（悪い）行いを目映く見せた¹。それで彼らは彷徨っているのだ。
أُوْلَـٰۤىِٕكَ ٱلَّذِینَ لَهُمۡ سُوۤءُ ٱلۡعَذَابِ وَهُمۡ فِی ٱلۡـَٔاخِرَةِ هُمُ ٱلۡأَخۡسَرُونَ ﴿٥﴾
それらの者たちは（現世で）、忌まわしい懲罰がある者たち。そして彼らこそは、まさに来世において最大の損失者なのである。
وَإِنَّكَ لَتُلَقَّى ٱلۡقُرۡءَانَ مِن لَّدُنۡ حَكِیمٍ عَلِیمٍ ﴿٦﴾
（使徒*よ、）本当にあなたは、全知で英知あふれる*お方の御許から、クルアーン*をまさしく授かっている。
إِذۡ قَالَ مُوسَىٰ لِأَهۡلِهِۦۤ إِنِّیۤ ءَانَسۡتُ نَارࣰا سَـَٔاتِیكُم مِّنۡهَا بِخَبَرٍ أَوۡ ءَاتِیكُم بِشِهَابࣲ قَبَسࣲ لَّعَلَّكُمۡ تَصۡطَلُونَ ﴿٧﴾
ムーサー*が、その家族に、（こう）言った時のこと（を思い起こさせよ）。「本当に私は、火を見出したのだ。私はそこから、あなた方に火に（道案内の）知らせか、あるいはあなた方が暖を取れるよう、一片の火種をあなた方に持って来るとしよう」。¹
فَلَمَّا جَاۤءَهَا نُودِیَ أَنۢ بُورِكَ مَن فِی ٱلنَّارِ وَمَنۡ حَوۡلَهَا وَسُبۡحَـٰنَ ٱللَّهِ رَبِّ ٱلۡعَـٰلَمِینَ ﴿٨﴾
それで彼がそこにやって来ると、（こう）呼びかけられた。「火の中にある者と、その周りにいる者¹に祝福あれ。全創造物の主*、アッラー*に称え*あれ。
یَـٰمُوسَىٰۤ إِنَّهُۥۤ أَنَا ٱللَّهُ ٱلۡعَزِیزُ ٱلۡحَكِیمُ ﴿٩﴾
ムーサー*よ、本当にわれは，偉力ならびなく*英知あふれるアッラー*である」。
وَأَلۡقِ عَصَاكَۚ فَلَمَّا رَءَاهَا تَهۡتَزُّ كَأَنَّهَا جَاۤنࣱّ وَلَّىٰ مُدۡبِرࣰا وَلَمۡ یُعَقِّبۡۚ یَـٰمُوسَىٰ لَا تَخَفۡ إِنِّی لَا یَخَافُ لَدَیَّ ٱلۡمُرۡسَلُونَ ﴿١٠﴾
（アッラー*は仰せられた。）「そして、あなたの杖を投げてみよ」。（それで彼が杖を投げると、それが大蛇となった。）そしてそれが敏捷な小蛇のように躍動するのを目にした時、彼は背を向けて引き下がり、（そこには）戻って来なかった。（アッラー*は仰せられた。）「ムーサー*よ、怖がるのではない。本当にわが御許で、遣わされた者（使徒*）たちが怖がることはないのだから。
إِلَّا مَن ظَلَمَ ثُمَّ بَدَّلَ حُسۡنَۢا بَعۡدَ سُوۤءࣲ فَإِنِّی غَفُورࣱ رَّحِیمࣱ ﴿١١﴾
しかし不正*を犯し、それから（罪の）悪の後に、（悔悟という）善きもので換える者（、われはその者を赦してやろう）¹。実にわれは赦し深い者、慈愛深い*者なのだから。
وَأَدۡخِلۡ یَدَكَ فِی جَیۡبِكَ تَخۡرُجۡ بَیۡضَاۤءَ مِنۡ غَیۡرِ سُوۤءࣲۖ فِی تِسۡعِ ءَایَـٰتٍ إِلَىٰ فِرۡعَوۡنَ وَقَوۡمِهِۦۤۚ إِنَّهُمۡ كَانُواْ قَوۡمࣰا فَـٰسِقِینَ ﴿١٢﴾
また、あなたの手を自分の懐に入れてみよ。そうすれば、それはフィルアウン*とその民への九つの御印¹（の一つ）として、災い²もなしに白くなって出てくる。本当に彼らは（フィルアウン*とその民）は、放逸な者たちだったのだ」。
فَلَمَّا جَاۤءَتۡهُمۡ ءَایَـٰتُنَا مُبۡصِرَةࣰ قَالُواْ هَـٰذَا سِحۡرࣱ مُّبِینࣱ ﴿١٣﴾
こうして彼らはのもとに、明らかなるわれら*の御徴（奇跡）が到達した時、彼らは言った。「これは紛れもない魔術である」。
وَجَحَدُواْ بِهَا وَٱسۡتَیۡقَنَتۡهَاۤ أَنفُسُهُمۡ ظُلۡمࣰا وَعُلُوࣰّاۚ فَٱنظُرۡ كَیۡفَ كَانَ عَـٰقِبَةُ ٱلۡمُفۡسِدِینَ ﴿١٤﴾
そして彼らの心はそれ（奇跡の真実性）を確信しつつも、不正*と傲慢さによって、それを（言葉で）否定した。ならば見よ、腐敗*を働く者たちの結末がいかなるものであったかを？
وَلَقَدۡ ءَاتَیۡنَا دَاوُۥدَ وَسُلَیۡمَـٰنَ عِلۡمࣰاۖ وَقَالَا ٱلۡحَمۡدُ لِلَّهِ ٱلَّذِی فَضَّلَنَا عَلَىٰ كَثِیرࣲ مِّنۡ عِبَادِهِ ٱلۡمُؤۡمِنِینَ ﴿١٥﴾
また、われら*は確かに、ダーウード*とスライマーン*に知識を授けた。そして彼らは（その知識に則って行い、）言った。「私たちを、信心者であるその僕たちの多く（の者）よりお引き立て下さったアッラー*に全ての称賛*あれ」。
وَوَرِثَ سُلَیۡمَـٰنُ دَاوُۥدَۖ وَقَالَ یَـٰۤأَیُّهَا ٱلنَّاسُ عُلِّمۡنَا مَنطِقَ ٱلطَّیۡرِ وَأُوتِینَا مِن كُلِّ شَیۡءٍۖ إِنَّ هَـٰذَا لَهُوَ ٱلۡفَضۡلُ ٱلۡمُبِینُ ﴿١٦﴾
そしてスライマーン*は、ダーウード*（の預言者*としての使命と、知識と王権）を継ぎ、言った。「人々よ、私たちは鳥の言葉を教えられ、全ての（必要な）ものの内から授けられた。本当にこれこそは、紛れもない恩寵である」。
وَحُشِرَ لِسُلَیۡمَـٰنَ جُنُودُهُۥ مِنَ ٱلۡجِنِّ وَٱلۡإِنسِ وَٱلطَّیۡرِ فَهُمۡ یُوزَعُونَ ﴿١٧﴾
そしてスライマーン*のもとに、ジン*、人間、鳥からなる彼の軍勢が召集され、整列させられた。
حَتَّىٰۤ إِذَاۤ أَتَوۡاْ عَلَىٰ وَادِ ٱلنَّمۡلِ قَالَتۡ نَمۡلَةࣱ یَـٰۤأَیُّهَا ٱلنَّمۡلُ ٱدۡخُلُواْ مَسَـٰكِنَكُمۡ لَا یَحۡطِمَنَّكُمۡ سُلَیۡمَـٰنُ وَجُنُودُهُۥ وَهُمۡ لَا یَشۡعُرُونَ ﴿١٨﴾
やがて彼ら（スライマーン*の軍勢）が蟻の谷に到着した時、一匹の蟻が（その仲間たちに）言った。「蟻たちよ、自分たちの巣に入りなさい。スライマーン*とその軍勢が気づかぬまま、あなた方を（踏みつけて）粉砕してしまっては、決してなりませんよ」。
فَتَبَسَّمَ ضَاحِكࣰا مِّن قَوۡلِهَا وَقَالَ رَبِّ أَوۡزِعۡنِیۤ أَنۡ أَشۡكُرَ نِعۡمَتَكَ ٱلَّتِیۤ أَنۡعَمۡتَ عَلَیَّ وَعَلَىٰ وَ ٰلِدَیَّ وَأَنۡ أَعۡمَلَ صَـٰلِحࣰا تَرۡضَىٰهُ وَأَدۡخِلۡنِی بِرَحۡمَتِكَ فِی عِبَادِكَ ٱلصَّـٰلِحِینَ ﴿١٩﴾
すると、彼（スライマーン*）はその言葉を（理解して）笑い出し、微笑んだ¹。そして言った。「我が主*よ、あなたが、私と私の両親にお恵みになったあなたの恩恵に私が感謝できるように、そしてあなたのお喜びになる正しい行い*を私が行えるようにして下さい。また、あなたのご慈悲によって（天国で）私に、あなたの正しい僕たちの仲間入りをさせて下さい」。
وَتَفَقَّدَ ٱلطَّیۡرَ فَقَالَ مَا لِیَ لَاۤ أَرَى ٱلۡهُدۡهُدَ أَمۡ كَانَ مِنَ ٱلۡغَاۤىِٕبِینَ ﴿٢٠﴾
そして彼（スライマーン）は、鳥たちを探し回って、言った。「ヤツガラシが見えないのは、どういうことか？いや、一体彼は、不在なのか？
لَأُعَذِّبَنَّهُۥ عَذَابࣰا شَدِیدًا أَوۡ لَأَاْذۡبَحَنَّهُۥۤ أَوۡ لَیَأۡتِیَنِّی بِسُلۡطَـٰنࣲ مُّبِینࣲ ﴿٢١﴾
私はきっと彼を厳しい罰で罰するか、あるいはその首をはねてやろう。さもなくば、（不在の言い訳として）はっきりとした証拠を、必ずや私のもとに持ってくるのだ」。
فَمَكَثَ غَیۡرَ بَعِیدࣲ فَقَالَ أَحَطتُ بِمَا لَمۡ تُحِطۡ بِهِۦ وَجِئۡتُكَ مِن سَبَإِۭ بِنَبَإࣲ یَقِینٍ ﴿٢٢﴾
彼（ヤツガラシ）は少しの間、そのまま（不在）であった後¹、（スライマーン*のもとにやって来て、）言った。「私は、あなたが把握されなかったことを、把握しました。そしてサバア²から、紛れもないお知らせと共に、あなたのもとへとやって来たのです。
إِنِّی وَجَدتُّ ٱمۡرَأَةࣰ تَمۡلِكُهُمۡ وَأُوتِیَتۡ مِن كُلِّ شَیۡءࣲ وَلَهَا عَرۡشٌ عَظِیمࣱ ﴿٢٣﴾
実に私は、彼ら（サバアの民）を治める一人の女性¹を見つけました。そして彼女は（王が現世で必要とする）全てのものを授けられ、偉大なる御座を有しています。
وَجَدتُّهَا وَقَوۡمَهَا یَسۡجُدُونَ لِلشَّمۡسِ مِن دُونِ ٱللَّهِ وَزَیَّنَ لَهُمُ ٱلشَّیۡطَـٰنُ أَعۡمَـٰلَهُمۡ فَصَدَّهُمۡ عَنِ ٱلسَّبِیلِ فَهُمۡ لَا یَهۡتَدُونَ ﴿٢٤﴾
私は、彼女とその民が、アッラー*を差しおいて太陽をサジダ*しているのを見ました。そしてシャイターン*が、彼らに、彼ら自身の（悪い）行いを目映く見せ、彼らを道¹から阻んでおり、彼らは導かれずにいます。
أَلَّا یَسۡجُدُواْ لِلَّهِ ٱلَّذِی یُخۡرِجُ ٱلۡخَبۡءَ فِی ٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ وَٱلۡأَرۡضِ وَیَعۡلَمُ مَا تُخۡفُونَ وَمَا تُعۡلِنُونَ ﴿٢٥﴾
諸天と大地において潜むもの¹をお出しになり、あなた方が隠すことも露わにすることもご存じのアッラー*に、彼らがサジダ*しないよう（、彼ら自身の悪い行いを目映く見せているのです）。
ٱللَّهُ لَاۤ إِلَـٰهَ إِلَّا هُوَ رَبُّ ٱلۡعَرۡشِ ٱلۡعَظِیمِ ۩ ﴿٢٦﴾
アッラー*は、かれ以外に（真に）崇拝*すべきいかなるものもないお方、偉大なる御座¹の主*」。（読誦のサジダ*）
۞ قَالَ سَنَنظُرُ أَصَدَقۡتَ أَمۡ كُنتَ مِنَ ٱلۡكَـٰذِبِینَ ﴿٢٧﴾
彼（スライマーン*）は言った。「お前が本当のことを言っているのか、それとも嘘つきの類いであるか、調べてみよう。
ٱذۡهَب بِّكِتَـٰبِی هَـٰذَا فَأَلۡقِهۡ إِلَیۡهِمۡ ثُمَّ تَوَلَّ عَنۡهُمۡ فَٱنظُرۡ مَاذَا یَرۡجِعُونَ ﴿٢٨﴾
私のこの書簡を携えて行き、それを彼ら（サバアの民）のもとに落として来るがよい。それから彼らから離れ、彼らがいかに反応するかを見守るのだ」。
قَالَتۡ یَـٰۤأَیُّهَا ٱلۡمَلَؤُاْ إِنِّیۤ أُلۡقِیَ إِلَیَّ كِتَـٰبࣱ كَرِیمٌ ﴿٢٩﴾
（ヤツガラシがその命令に従って落として行った書簡を読むと、有力者たちを集めて、）彼女（ビルキース）は言った。「名士たちよ、本当に私のもとに、重大な書簡が届きました。
إِنَّهُۥ مِن سُلَیۡمَـٰنَ وَإِنَّهُۥ بِسۡمِ ٱللَّهِ ٱلرَّحۡمَـٰنِ ٱلرَّحِیمِ ﴿٣٠﴾
まさにそれはスライマーン*からのもので、実にそれは、『慈悲あまねく*慈愛深い*アッラーの御名において。
أَلَّا تَعۡلُواْ عَلَیَّ وَأۡتُونِی مُسۡلِمِینَ ﴿٣١﴾
私（があなた方を招くもの）に対して高慢にならず、服従する者(ムスリム*）となられて、私のもとにいらっしゃるがよい』（というもの）です」。
قَالَتۡ یَـٰۤأَیُّهَا ٱلۡمَلَؤُاْ أَفۡتُونِی فِیۤ أَمۡرِی مَا كُنتُ قَاطِعَةً أَمۡرًا حَتَّىٰ تَشۡهَدُونِ ﴿٣٢﴾
彼女は言った。「名士たちよ、私の（この）件について、私にご教示下さい。あなた方が私と（討議のために）同席されない限り、私は何事も決定しません」。
قَالُواْ نَحۡنُ أُوْلُواْ قُوَّةࣲ وَأُوْلُواْ بَأۡسࣲ شَدِیدࣲ وَٱلۡأَمۡرُ إِلَیۡكِ فَٱنظُرِی مَاذَا تَأۡمُرِینَ ﴿٣٣﴾
彼らは言った。「私たちは強力ですし、この上ない勇猛さもあります。そして事は、あなたに委ねられているのです。ですから、あなたが何を命じられるか、ご検討ください」。
قَالَتۡ إِنَّ ٱلۡمُلُوكَ إِذَا دَخَلُواْ قَرۡیَةً أَفۡسَدُوهَا وَجَعَلُوۤاْ أَعِزَّةَ أَهۡلِهَاۤ أَذِلَّةࣰۚ وَكَذَ ٰلِكَ یَفۡعَلُونَ ﴿٣٤﴾
彼女は言った。「本当に王たちが町に(攻め）入れば、それを崩壊させ、その住民の最も高貴な者たちを、最も卑しい者たちとしたものです。ーー彼らは、そのようにするのであるーー¹。
وَإِنِّی مُرۡسِلَةٌ إِلَیۡهِم بِهَدِیَّةࣲ فَنَاظِرَةُۢ بِمَ یَرۡجِعُ ٱلۡمُرۡسَلُونَ ﴿٣٥﴾
それで本当に私は、彼らへの贈り物を送り、使者たちが何を携えて戻って来るか、観察することとします」。
فَلَمَّا جَاۤءَ سُلَیۡمَـٰنَ قَالَ أَتُمِدُّونَنِ بِمَالࣲ فَمَاۤ ءَاتَىٰنِۦَ ٱللَّهُ خَیۡرࣱ مِّمَّاۤ ءَاتَىٰكُمۚ بَلۡ أَنتُم بِهَدِیَّتِكُمۡ تَفۡرَحُونَ ﴿٣٦﴾
そして彼（ビルキースの使者）が、スライマーン*のもとに（贈り物を携えて）やって来た時、彼（スライマーン*）は言った。「一体、私に財を援助するというのか？アッラー*が私に授けて下さったもの¹の方が、あなた方に授けて下さったものよりも善いというのに。いや、あなた方は自分たちの贈り物に有頂天になっているのだ。
ٱرۡجِعۡ إِلَیۡهِمۡ فَلَنَأۡتِیَنَّهُم بِجُنُودࣲ لَّا قِبَلَ لَهُم بِهَا وَلَنُخۡرِجَنَّهُم مِّنۡهَاۤ أَذِلَّةࣰ وَهُمۡ صَـٰغِرُونَ ﴿٣٧﴾
（贈り物を持って、）彼らのもとへ戻るがよい。私たちは必ずや、彼らには到底太刀打ちできない軍勢と共に、彼らのもとに到来しよう。そして必ずや彼らを、惨めに卑しめられた状態で、そこから追い出してやろう」。
قَالَ یَـٰۤأَیُّهَا ٱلۡمَلَؤُاْ أَیُّكُمۡ یَأۡتِینِی بِعَرۡشِهَا قَبۡلَ أَن یَأۡتُونِی مُسۡلِمِینَ ﴿٣٨﴾
彼（スライマーン*）は言った。「名士たちよ、彼らが服従する者（ムスリム*）として私のもとにやって来る前に¹、あなた方の誰が、私のところに彼女の御座を持って来るのか？²」
قَالَ عِفۡرِیتࣱ مِّنَ ٱلۡجِنِّ أَنَا۠ ءَاتِیكَ بِهِۦ قَبۡلَ أَن تَقُومَ مِن مَّقَامِكَۖ وَإِنِّی عَلَیۡهِ لَقَوِیٌّ أَمِینࣱ ﴿٣٩﴾
ジン*の内の、あるイフリート¹が言った。「まことに私めが、あなたがご自身の場所からお立ちになる前に、それをあなたのもとに持って参りましょう。そして、本当に私はそれ（を持って来ること）に対し、実に強く、信用ある者²なのです」。
قَالَ ٱلَّذِی عِندَهُۥ عِلۡمࣱ مِّنَ ٱلۡكِتَـٰبِ أَنَا۠ ءَاتِیكَ بِهِۦ قَبۡلَ أَن یَرۡتَدَّ إِلَیۡكَ طَرۡفُكَۚ فَلَمَّا رَءَاهُ مُسۡتَقِرًّا عِندَهُۥ قَالَ هَـٰذَا مِن فَضۡلِ رَبِّی لِیَبۡلُوَنِیۤ ءَأَشۡكُرُ أَمۡ أَكۡفُرُۖ وَمَن شَكَرَ فَإِنَّمَا یَشۡكُرُ لِنَفۡسِهِۦۖ وَمَن كَفَرَ فَإِنَّ رَبِّی غَنِیࣱّ كَرِیمࣱ ﴿٤٠﴾
啓典からの知識を備えた者¹が言った。「まことに私めは、あなたが視線を移す前に、それをあなたのところへ持って参りましょう」。こうして（その者が御座を持って来ると、）彼（スライマーン*）はそれが確かに自分のところにあるのを見て、言った。「これは、私が果たして感謝するか、あるいは恩知らずとなるか試みるための、我が主*からの恩寵である。感謝する者は、誰でも、感謝することで自分自身を益するに外ならず、恩知らずな者があろうと、本当に我が主*は、（そのような者の感謝を必要とはされない）満ち足りた*お方、（そのような者にもお恵みになる）貴い*お方であられるのだ」。
قَالَ نَكِّرُواْ لَهَا عَرۡشَهَا نَنظُرۡ أَتَهۡتَدِیۤ أَمۡ تَكُونُ مِنَ ٱلَّذِینَ لَا یَهۡتَدُونَ ﴿٤١﴾
彼（スライマーン*）は（、彼の傍に控えている者に）言った。「彼女の御座を、彼女にわからないように（手直し）しておけ。（そうしたら）私たちは、一体彼女が（自分の御座の認知へと）導かれるか、あるいは導かれない者の仲間となるか、見てみるとしよう」。¹
فَلَمَّا جَاۤءَتۡ قِیلَ أَهَـٰكَذَا عَرۡشُكِۖ قَالَتۡ كَأَنَّهُۥ هُوَۚ وَأُوتِینَا ٱلۡعِلۡمَ مِن قَبۡلِهَا وَكُنَّا مُسۡلِمِینَ ﴿٤٢﴾
こうして彼女（ビルキース）が、（スライマーン*のもとに）やって来た時、（彼女はこう）言われた。「あなたの御座は、このようですか？」彼女は言った。「それは、あたかも（私の）それのようです」。（スライマーン*は言った。）「私たちには彼女よりも前に知識¹が授けられたのであり、私たちは服従する者（ムスリム*）だったのだ。
وَصَدَّهَا مَا كَانَت تَّعۡبُدُ مِن دُونِ ٱللَّهِۖ إِنَّهَا كَانَتۡ مِن قَوۡمࣲ كَـٰفِرِینَ ﴿٤٣﴾
彼女がアッラー*をよそに崇めていたものが、彼女を（イスラーム*から）阻んだのだ。本当に彼女は、不信仰者*の民の一人だったのだから」。¹
قِیلَ لَهَا ٱدۡخُلِی ٱلصَّرۡحَۖ فَلَمَّا رَأَتۡهُ حَسِبَتۡهُ لُجَّةࣰ وَكَشَفَتۡ عَن سَاقَیۡهَاۚ قَالَ إِنَّهُۥ صَرۡحࣱ مُّمَرَّدࣱ مِّن قَوَارِیرَۗ قَالَتۡ رَبِّ إِنِّی ظَلَمۡتُ نَفۡسِی وَأَسۡلَمۡتُ مَعَ سُلَیۡمَـٰنَ لِلَّهِ رَبِّ ٱلۡعَـٰلَمِینَ ﴿٤٤﴾
彼女に、（こう）言われた。「（宮殿の）中庭にお入りください」。そしてそれを見た時、彼女はそれを水溜まりと思って、自らの両脛を露わにした。彼（スライマーン*）は言った。「実にそれは（その下を水が流れる）、磨き上げられたガラス製の中庭なのです」。彼女は（スライマーン*の王国の偉大さを実感し、）言った。「我が主*よ、本当に私は自分自身に不正*を働いてしまいました。そしてスライマーン*と共に、全創造物の主*アッラー*に服従（イスラーム*）いたします」。
وَلَقَدۡ أَرۡسَلۡنَاۤ إِلَىٰ ثَمُودَ أَخَاهُمۡ صَـٰلِحًا أَنِ ٱعۡبُدُواْ ٱللَّهَ فَإِذَا هُمۡ فَرِیقَانِ یَخۡتَصِمُونَ ﴿٤٥﴾
また、われら*は確かにサムード*に、彼らの同胞であるサーリフ*を遣わした。（サーリフ*は言った。）「アッラー（だけ）を崇拝*せよ」。するとどうであろう、彼らは言い争う二つの派¹となってしまった。²
قَالَ یَـٰقَوۡمِ لِمَ تَسۡتَعۡجِلُونَ بِٱلسَّیِّئَةِ قَبۡلَ ٱلۡحَسَنَةِۖ لَوۡلَا تَسۡتَغۡفِرُونَ ٱللَّهَ لَعَلَّكُمۡ تُرۡحَمُونَ ﴿٤٦﴾
彼（サーリフ*）は（、不信仰の一派に）言った。「我が民よ、どうしてあなた方は善きものの前に、悪しきものを性急に求める¹のか？どうしてあなた方は、自分たちがご慈悲を授かるよう、アッラー*にお赦しを乞わない？」
قَالُواْ ٱطَّیَّرۡنَا بِكَ وَبِمَن مَّعَكَۚ قَالَ طَـٰۤىِٕرُكُمۡ عِندَ ٱللَّهِۖ بَلۡ أَنتُمۡ قَوۡمࣱ تُفۡتَنُونَ ﴿٤٧﴾
彼らは言った。「私たちはあなたと、あなたと共に（あなたの宗教に）ある者を、不吉に思う¹」。彼（サーリフ*）は言った。「あなた方の不吉のもとは、アッラー*の御許にある²。いや、あなた方は試練にかけられている民³なのである」。
وَكَانَ فِی ٱلۡمَدِینَةِ تِسۡعَةُ رَهۡطࣲ یُفۡسِدُونَ فِی ٱلۡأَرۡضِ وَلَا یُصۡلِحُونَ ﴿٤٨﴾
町¹には、地上で腐敗*を働き、正しいことをしない九人の男たち²がいた。
قَالُواْ تَقَاسَمُواْ بِٱللَّهِ لَنُبَیِّتَنَّهُۥ وَأَهۡلَهُۥ ثُمَّ لَنَقُولَنَّ لِوَلِیِّهِۦ مَا شَهِدۡنَا مَهۡلِكَ أَهۡلِهِۦ وَإِنَّا لَصَـٰدِقُونَ ﴿٤٩﴾
彼らは（互いに）言った。「お互いに、アッラー*に（こう）誓うのだ。『私たちは必ずや、彼（サーリフ*）とその家族を夜に陰謀し（て殺し）、それから彼の後見人には、（こう）言うのだ。私たちは彼の家族の殺害には立ち会っていないし、本当に私たちはまさしく正直者なのだ、と』」。
وَمَكَرُواْ مَكۡرࣰا وَمَكَرۡنَا مَكۡرࣰا وَهُمۡ لَا یَشۡعُرُونَ ﴿٥٠﴾
彼らはまさに策謀し、われら*も彼らが気付かぬ内に、まさに策謀した。¹
فَٱنظُرۡ كَیۡفَ كَانَ عَـٰقِبَةُ مَكۡرِهِمۡ أَنَّا دَمَّرۡنَـٰهُمۡ وَقَوۡمَهُمۡ أَجۡمَعِینَ ﴿٥١﴾
（使徒*よ、）彼らの策謀の結末がいかなるものだったか、見てみよ。われら*が彼らとその民を、全滅させたことを。
فَتِلۡكَ بُیُوتُهُمۡ خَاوِیَةَۢ بِمَا ظَلَمُوۤاْۚ إِنَّ فِی ذَ ٰلِكَ لَـَٔایَةࣰ لِّقَوۡمࣲ یَعۡلَمُونَ ﴿٥٢﴾
そしてそれらは、彼らが不正*を働いていたことゆえ（、アッラー*に滅ぼされて）崩れ落ちた¹、彼らの家。本当にその中にはまさしく、知識ある民への御徴がある。
وَلُوطًا إِذۡ قَالَ لِقَوۡمِهِۦۤ أَتَأۡتُونَ ٱلۡفَـٰحِشَةَ وَأَنتُمۡ تُبۡصِرُونَ ﴿٥٤﴾
また、ルート*（のことを思い出せ）。彼がその民に、（こう）言った時¹のこと。「一体あなた方は、（その醜行さを）心得ていながら、醜行²を行うのか？
أَىِٕنَّكُمۡ لَتَأۡتُونَ ٱلرِّجَالَ شَهۡوَةࣰ مِّن دُونِ ٱلنِّسَاۤءِۚ بَلۡ أَنتُمۡ قَوۡمࣱ تَجۡهَلُونَ ﴿٥٥﴾
本当にあなた方は女性を差しおいて、欲望ゆえに男性に赴こう¹としているのか？いや、あなた方は無知な民である」。
۞ فَمَا كَانَ جَوَابَ قَوۡمِهِۦۤ إِلَّاۤ أَن قَالُوۤاْ أَخۡرِجُوۤاْ ءَالَ لُوطࣲ مِّن قَرۡیَتِكُمۡۖ إِنَّهُمۡ أُنَاسࣱ یَتَطَهَّرُونَ ﴿٥٦﴾
その民の答えは、（このように）言うことだけであった。「ルート*の家族を、あなた方の町¹から追放するのだ。本当に彼らは、潔癖ぶった人々なのだから」。
فَأَنجَیۡنَـٰهُ وَأَهۡلَهُۥۤ إِلَّا ٱمۡرَأَتَهُۥ قَدَّرۡنَـٰهَا مِنَ ٱلۡغَـٰبِرِینَ ﴿٥٧﴾
こうしてわれら*は彼と、彼の妻を除いた彼の家族を救った。われら*は彼女を、残っ（て滅ぼされ）た者たちの一人と定めたのだ。
وَأَمۡطَرۡنَا عَلَیۡهِم مَّطَرࣰاۖ فَسَاۤءَ مَطَرُ ٱلۡمُنذَرِینَ ﴿٥٨﴾
そしてわれら*は彼らの上に、（石の）大雨を降らせた。警告を受けていた者たち（へ）の雨は、何と忌まわしかったことか。
قُلِ ٱلۡحَمۡدُ لِلَّهِ وَسَلَـٰمٌ عَلَىٰ عِبَادِهِ ٱلَّذِینَ ٱصۡطَفَىٰۤۗ ءَاۤللَّهُ خَیۡرٌ أَمَّا یُشۡرِكُونَ ﴿٥٩﴾
（使徒*ムハンマド*よ、）言うがよい。「アッラー*に全ての称賛*あれ。そしてかれがお選びになった、かれの僕たちに平安を¹。一体アッラー*がよいのか、それとも彼らが（アッラー*に）並べているものか？
أَمَّنۡ خَلَقَ ٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ وَٱلۡأَرۡضَ وَأَنزَلَ لَكُم مِّنَ ٱلسَّمَاۤءِ مَاۤءࣰ فَأَنۢبَتۡنَا بِهِۦ حَدَاۤىِٕقَ ذَاتَ بَهۡجَةࣲ مَّا كَانَ لَكُمۡ أَن تُنۢبِتُواْ شَجَرَهَاۤۗ أَءِلَـٰهࣱ مَّعَ ٱللَّهِۚ بَلۡ هُمۡ قَوۡمࣱ یَعۡدِلُونَ ﴿٦٠﴾
いや、諸天と大地をお創りになり、あなた方に天から（雨）水をお降らしになり、それにより麗しい庭園ーーあなた方に、その木々を生やすことは叶わない¹－－を生育させられたお方か（、それとも彼らが並べているものがよいのか）？一体、アッラー*と共に崇拝*するに値するものなど、あるのか？いや、彼らは（真理から）逸れ去る民である。
أَمَّن جَعَلَ ٱلۡأَرۡضَ قَرَارࣰا وَجَعَلَ خِلَـٰلَهَاۤ أَنۡهَـٰرࣰا وَجَعَلَ لَهَا رَوَ ٰسِیَ وَجَعَلَ بَیۡنَ ٱلۡبَحۡرَیۡنِ حَاجِزًاۗ أَءِلَـٰهࣱ مَّعَ ٱللَّهِۚ بَلۡ أَكۡثَرُهُمۡ لَا یَعۡلَمُونَ ﴿٦١﴾
いや、大地を安住の地とされ、その裂け目に河川を流れさせられ、そこに堅固な山々を設けられ、二つの海の間に障壁を置かれた¹お方か（、それとも彼らが並べているものがよいのか）？一体、アッラー*と共に崇拝*するに値するものなど、あるのか？いや、彼らの大半は分からないのだ。
أَمَّن یُجِیبُ ٱلۡمُضۡطَرَّ إِذَا دَعَاهُ وَیَكۡشِفُ ٱلسُّوۤءَ وَیَجۡعَلُكُمۡ خُلَفَاۤءَ ٱلۡأَرۡضِۗ أَءِلَـٰهࣱ مَّعَ ٱللَّهِۚ قَلِیلࣰا مَّا تَذَكَّرُونَ ﴿٦٢﴾
いや、窮迫した者が呼べば応えられ、災いを取り除かれ、あなた方を地上の継承者¹とされるお方か（、それとも彼らが並べているものがよいのか）？一体、アッラー*と共に崇拝*するに値するものなど、あるのか？あなた方が教訓を得ることの、実に少ないこと。
أَمَّن یَهۡدِیكُمۡ فِی ظُلُمَـٰتِ ٱلۡبَرِّ وَٱلۡبَحۡرِ وَمَن یُرۡسِلُ ٱلرِّیَـٰحَ بُشۡرَۢا بَیۡنَ یَدَیۡ رَحۡمَتِهِۦۤۗ أَءِلَـٰهࣱ مَّعَ ٱللَّهِۚ تَعَـٰلَى ٱللَّهُ عَمَّا یُشۡرِكُونَ ﴿٦٣﴾
いや、陸と海の闇の中、あなた方を導かれるお方、そしてそのご慈悲（雨）の前触れに吉報を告げる風を送られるお方か（、それとも彼らが並べているものがよいのか）？一体、アッラー*と共に崇拝*するに値するものなど、あるのか？アッラー*は、彼らが（アッラー*に）並べるものから、高遠であられる。
أَمَّن یَبۡدَؤُاْ ٱلۡخَلۡقَ ثُمَّ یُعِیدُهُۥ وَمَن یَرۡزُقُكُم مِّنَ ٱلسَّمَاۤءِ وَٱلۡأَرۡضِۗ أَءِلَـٰهࣱ مَّعَ ٱللَّهِۚ قُلۡ هَاتُواْ بُرۡهَـٰنَكُمۡ إِن كُنتُمۡ صَـٰدِقِینَ ﴿٦٤﴾
いや、創造をお始めになり、それから（再び）それを繰り返されるお方、そして天と地から、あなた方に糧をお授け下さるお方か（、それとも彼らが並べているものがよいのか）？一体、アッラー*と共に崇拝*するに値するものなど、あるのか？」言ってやれ。「あなた方の明証¹を持って来るのだ。もし、あなた方が本当のことを言っているのならば」。
قُل لَّا یَعۡلَمُ مَن فِی ٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ وَٱلۡأَرۡضِ ٱلۡغَیۡبَ إِلَّا ٱللَّهُۚ وَمَا یَشۡعُرُونَ أَیَّانَ یُبۡعَثُونَ ﴿٦٥﴾
（使徒*よ、）言ってやれ。「諸天と大地にあるいかなるものも、不可視の世界*を知らない。しかし、アッラー*だけ（が、ご存知）なのだ。そして彼らは、いつ蘇らされるか、知りもしない。
بَلِ ٱدَّ ٰرَكَ عِلۡمُهُمۡ فِی ٱلۡـَٔاخِرَةِۚ بَلۡ هُمۡ فِی شَكࣲّ مِّنۡهَاۖ بَلۡ هُم مِّنۡهَا عَمُونَ ﴿٦٦﴾
いや、彼らの知は来世で達成される¹。いや、彼らはそれ（来世）に疑念を抱いている。いや、彼らはそれに盲目²なのである」。
وَقَالَ ٱلَّذِینَ كَفَرُوۤاْ أَءِذَا كُنَّا تُرَ ٰبࣰا وَءَابَاۤؤُنَاۤ أَىِٕنَّا لَمُخۡرَجُونَ ﴿٦٧﴾
不信仰に陥った者*たちは言った。「一体、私たちと、私たちのご先祖が（死んで）土となった後、一体本当に私たちが（蘇らされて）出される身なのか？
لَقَدۡ وُعِدۡنَا هَـٰذَا نَحۡنُ وَءَابَاۤؤُنَا مِن قَبۡلُ إِنۡ هَـٰذَاۤ إِلَّاۤ أَسَـٰطِیرُ ٱلۡأَوَّلِینَ ﴿٦٨﴾
以前にも私たちと私たちのご先祖様は、確かにこのこと（死後の復活）を約束されたのだ（が、その事実は目にしなかったし、起こりもしなかったのだ）。こんなものは、昔の人々のお伽噺に過ぎない」。
قُلۡ سِیرُواْ فِی ٱلۡأَرۡضِ فَٱنظُرُواْ كَیۡفَ كَانَ عَـٰقِبَةُ ٱلۡمُجۡرِمِینَ ﴿٦٩﴾
（使徒*よ、）言ってやれ。「あなた方は地上を旅して、罪悪者たちの結末がどのようなものであったか、見てみるがよい」。
وَلَا تَحۡزَنۡ عَلَیۡهِمۡ وَلَا تَكُن فِی ضَیۡقࣲ مِّمَّا یَمۡكُرُونَ ﴿٧٠﴾
そして、彼らゆえに悲しまず、彼らが策謀することゆえに心苦しくなるのではない。
وَیَقُولُونَ مَتَىٰ هَـٰذَا ٱلۡوَعۡدُ إِن كُنتُمۡ صَـٰدِقِینَ ﴿٧١﴾
彼ら（シルク*の徒）は言う。「この約束は、一体いつのことなのか？もし、あなた方が本当のことを言っているのなら？」
قُلۡ عَسَىٰۤ أَن یَكُونَ رَدِفَ لَكُم بَعۡضُ ٱلَّذِی تَسۡتَعۡجِلُونَ ﴿٧٢﴾
（使徒*よ、）言ってやれ。「あなた方が性急に求めているもの（アッラー*からの罰）の一部は、あなた方に近づいたかもしれない」。¹
وَإِنَّ رَبَّكَ لَذُو فَضۡلٍ عَلَى ٱلنَّاسِ وَلَـٰكِنَّ أَكۡثَرَهُمۡ لَا یَشۡكُرُونَ ﴿٧٣﴾
実にあなたの主*は、人々に対するまさに恩寵の主なのだが、彼らの大半は感謝¹しないのだ。
وَإِنَّ رَبَّكَ لَیَعۡلَمُ مَا تُكِنُّ صُدُورُهُمۡ وَمَا یُعۡلِنُونَ ﴿٧٤﴾
また本当にあなたの主*は、彼らの胸が隠しているものも、露わにしているものも、ご存知である。
وَمَا مِنۡ غَاۤىِٕبَةࣲ فِی ٱلسَّمَاۤءِ وَٱلۡأَرۡضِ إِلَّا فِی كِتَـٰبࣲ مُّبِینٍ ﴿٧٥﴾
そして天と地に潜むいかなるものでも、明白な書¹に記されていないものはない。
إِنَّ هَـٰذَا ٱلۡقُرۡءَانَ یَقُصُّ عَلَىٰ بَنِیۤ إِسۡرَ ٰۤءِیلَ أَكۡثَرَ ٱلَّذِی هُمۡ فِیهِ یَخۡتَلِفُونَ ﴿٧٦﴾
本当にこのクルアーン*は、イスラーイールの子ら*に、彼らが意見を異にする大半のことについて、語って聞かせる。¹
إِنَّ رَبَّكَ یَقۡضِی بَیۡنَهُم بِحُكۡمِهِۦۚ وَهُوَ ٱلۡعَزِیزُ ٱلۡعَلِیمُ ﴿٧٨﴾
本当にあなたの主*は、その裁決で、彼らの間をお裁きになる。かれは偉力ならびない*お方、全知者であられる。
فَتَوَكَّلۡ عَلَى ٱللَّهِۖ إِنَّكَ عَلَى ٱلۡحَقِّ ٱلۡمُبِینِ ﴿٧٩﴾
ならば（使徒*よ）、アッラー*に全てを委ねよ*。あなたこそは、紛れもない真理の上にあるのだから。
إِنَّكَ لَا تُسۡمِعُ ٱلۡمَوۡتَىٰ وَلَا تُسۡمِعُ ٱلصُّمَّ ٱلدُّعَاۤءَ إِذَا وَلَّوۡاْ مُدۡبِرِینَ ﴿٨٠﴾
（使徒*よ、）本当にあなたは呼びかけを、死人らに聞かせることも、聾たちに聞かせることも出来ない。彼らが（あなたから）背を向けて立ち去るのであれば。¹
وَمَاۤ أَنتَ بِهَـٰدِی ٱلۡعُمۡیِ عَن ضَلَـٰلَتِهِمۡۖ إِن تُسۡمِعُ إِلَّا مَن یُؤۡمِنُ بِـَٔایَـٰتِنَا فَهُم مُّسۡلِمُونَ ﴿٨١﴾
またあなたは、盲人¹たちをその迷いから導く者でもない。あなたが聞かせられるのは、われら*の御徴を信じる者だけ。というのも、彼らは服従する者（ムスリム*）なのだから。²
۞ وَإِذَا وَقَعَ ٱلۡقَوۡلُ عَلَیۡهِمۡ أَخۡرَجۡنَا لَهُمۡ دَاۤبَّةࣰ مِّنَ ٱلۡأَرۡضِ تُكَلِّمُهُمۡ أَنَّ ٱلنَّاسَ كَانُواْ بِـَٔایَـٰتِنَا لَا یُوقِنُونَ ﴿٨٢﴾
彼らに対する（懲罰の）御言葉が確定された時、われら*は彼らのために大地から大獣¹を出す。それは彼らに、（復活を否定する）人々が、われら*の御徴を確信してはいなかったことについて、話し聞かせるのだ。
وَیَوۡمَ نَحۡشُرُ مِن كُلِّ أُمَّةࣲ فَوۡجࣰا مِّمَّن یُكَذِّبُ بِـَٔایَـٰتِنَا فَهُمۡ یُوزَعُونَ ﴿٨٣﴾
われら*が、全ての共同体の内から、われら*の御徴を嘘呼ばわりしていた集団を召集し、彼らが整列させられる日のこと（を思い起こさせよ）。
حَتَّىٰۤ إِذَا جَاۤءُو قَالَ أَكَذَّبۡتُم بِـَٔایَـٰتِی وَلَمۡ تُحِیطُواْ بِهَا عِلۡمًا أَمَّاذَا كُنتُمۡ تَعۡمَلُونَ ﴿٨٤﴾
やがて彼らがやって来ると、かれ（アッラー*）は仰せられる。「一体あなた方は、わが御徴¹を嘘呼ばわりしていたのか？それについて、よく知りもしなかった²のに？いや、一体あなた方は、兄を行っていたのか？」
وَوَقَعَ ٱلۡقَوۡلُ عَلَیۡهِم بِمَا ظَلَمُواْ فَهُمۡ لَا یَنطِقُونَ ﴿٨٥﴾
彼らには、自分たちが不正*を働いていたことゆえの（懲罰という）御言葉が確定され、彼らは（まともな言い訳を）喋ることもない¹。
أَلَمۡ یَرَوۡاْ أَنَّا جَعَلۡنَا ٱلَّیۡلَ لِیَسۡكُنُواْ فِیهِ وَٱلنَّهَارَ مُبۡصِرًاۚ إِنَّ فِی ذَ ٰلِكَ لَـَٔایَـٰتࣲ لِّقَوۡمࣲ یُؤۡمِنُونَ ﴿٨٦﴾
一体彼らは、彼らがそこで安らぐようにわれらが夜を創り、昼を（生活のために）視界が利くものとしたのを、見なかったのか？実にそこにはまさしく、信じる民への御徴があるのだ。
وَیَوۡمَ یُنفَخُ فِی ٱلصُّورِ فَفَزِعَ مَن فِی ٱلسَّمَـٰوَ ٰتِ وَمَن فِی ٱلۡأَرۡضِ إِلَّا مَن شَاۤءَ ٱللَّهُۚ وَكُلٌّ أَتَوۡهُ دَ ٰخِرِینَ ﴿٨٧﴾
角笛に吹き込まれ¹、諸天にいる全ての者と、大地にいる全ての者が戦慄する日のこと（を思い起こさせよ）。但し、アッラー*が（恐怖からの安全を）お望みになる者は別である。全ての者は低頭して、かれの御許にやって来るのだ。
وَتَرَى ٱلۡجِبَالَ تَحۡسَبُهَا جَامِدَةࣰ وَهِیَ تَمُرُّ مَرَّ ٱلسَّحَابِۚ صُنۡعَ ٱللَّهِ ٱلَّذِیۤ أَتۡقَنَ كُلَّ شَیۡءٍۚ إِنَّهُۥ خَبِیرُۢ بِمَا تَفۡعَلُونَ ﴿٨٨﴾
また、あなたは山々を、それらが静止しているものと思って見る。それは、雲の流れのように（早く）流れているのに¹。全てのものを完璧に仕上げられたアッラー*の御業。本当にかれは、あなた方のすることに通暁されているのだ。
مَن جَاۤءَ بِٱلۡحَسَنَةِ فَلَهُۥ خَیۡرࣱ مِّنۡهَا وَهُم مِّن فَزَعࣲ یَوۡمَىِٕذٍ ءَامِنُونَ ﴿٨٩﴾
（復活の日*、）善行¹と共にやって来た者、彼にはそれよりも善きもの²がある。そして彼らはその日、戦慄から無事な者たちである。
وَمَن جَاۤءَ بِٱلسَّیِّئَةِ فَكُبَّتۡ وُجُوهُهُمۡ فِی ٱلنَّارِ هَلۡ تُجۡزَوۡنَ إِلَّا مَا كُنتُمۡ تَعۡمَلُونَ ﴿٩٠﴾
そして（復活の日*、）悪行¹と共にやって来た者、彼らは顔から逆様に業火の中に投げ込まれ（、こう言われ）る。「一体あなた方が報われているのは、自分たちが（現世で）行っていたこと（によるもの）以外の、何ものでもないのではないか？」
إِنَّمَاۤ أُمِرۡتُ أَنۡ أَعۡبُدَ رَبَّ هَـٰذِهِ ٱلۡبَلۡدَةِ ٱلَّذِی حَرَّمَهَا وَلَهُۥ كُلُّ شَیۡءࣲۖ وَأُمِرۡتُ أَنۡ أَكُونَ مِنَ ٱلۡمُسۡلِمِینَ ﴿٩١﴾
（使徒*よ、言うのだ。）「私は外ならぬ、この町（マッカ*）の主¹を崇拝*するように命じられた。かれがそこを、聖なる地²とされたのだ。かれにこそ、全ては属する。また私は、服従する者（ムスリム*）の一人となるよう、命じられたのである。
وَأَنۡ أَتۡلُوَاْ ٱلۡقُرۡءَانَۖ فَمَنِ ٱهۡتَدَىٰ فَإِنَّمَا یَهۡتَدِی لِنَفۡسِهِۦۖ وَمَن ضَلَّ فَقُلۡ إِنَّمَاۤ أَنَا۠ مِنَ ٱلۡمُنذِرِینَ ﴿٩٢﴾
そして、クルアーン*を誦む¹ことを（命じられた）」。導かれた者があれば、実に彼は自分を益するために導かれるだけであり、また迷う者があれば（、使徒*よ）、言ってやるのだ。「私は（信仰しない者にアッラー*からの懲罰を告げる、）警告者の一人に過ぎない」。